第154話 ページ24
「大した理由なんてないですよ?ただメガネかけてると頭良さそうじゃないですか」
「えっ」
「はぁ?アンタそんな理由でメガネだった訳?」
拍子抜け。みたいな反応をされる。
「えぇ、第一印象って大事でしょ?もう言ったかんね?か・え・し・てっ」
メガネに手を伸ばすと園子は体を仰け反ってメガネを私から離す。
「絶対渡さないわ!そんな理由でその美貌を隠すだなんて」
「まぁほぼほぼ隠しきれてないけどね…」
「もう訳わかんないこと言わないでよ!メガネは私のアイデンティティ!!」
テーブルに手をついて園子からメガネを取り返そうとした時、入店を知らせるベルが鳴る。
揉めていた私たちはそっちに気を取られて一時は静まるが、私はこの時ドアを見てしまったことを最高に後悔している。
「雪、ちゃん?」
あぁ、こんなところで再会ってあり?
ポアロの入り口には立ちすくんだ萩原がこちらを凝視していた。
全てがスローモーションのように見える。
立ち止まっている萩原に違和感を感じたのか、懐かしい人の声がぶっきらぼうに響いた。
「おい萩原立ち止まってんなよ早く入れ」
サングラス越しにその人と目があって、あいつの目が見開かれたのがわかった。
私はイケメン!!なんて騒いでる園子の手から急いでメガネを取り返して何事も無かったかのように座り直す。
色んな意味で心臓がうるさい。
こういう事が起こる可能性も考えていろいろ準備をしてきたでしょ?
自問自答を繰り返す。
冷静ではいられない。
あぁなんかどうしよう。
なんで今日ポアロに来ちゃったかなぁ?
あぁでもえっと、えぇーと、
うつむけば不意に視界に足が映ってアンクレットが煌めいた。
(あぁそうだ今は私は来栖Aだ)
ちょっと落ち着きを取り戻して再び視線をあげる。
この間3秒、不審な点はなかったはず。
降谷と目で話し合っている二人を他所に私はあくまで興奮している園子を落ち着かせる友達役を演じる。
さて、これからどうしよう。
455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒木(プロフ) - 風野さん» 風野様、ご指摘ありがとうございます、すみませんアニメでは見ていても小説に平次くんを出したのは初めてで気付きませんでした!助かりました!!本当にありがとうございます。引き続きAPTX4869をよろしくお願いします!! (2019年8月18日 22時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
風野(プロフ) - 初コメ失礼します。初コメがこんな内容で申し訳ないのですが、平次くんの一人称はオレではないでしょうか?間違っていたら申し訳ありません!大好きなお話だけに気になってしまって、、いつも楽しく読ませてもらっています! (2019年8月18日 22時) (レス) id: b410b73e9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒木 | 作成日時:2019年7月26日 21時