第152話 ページ22
「快斗くんさ、工藤新一知ってるでしょ?」
どうして急に指紋手袋から探偵の話になるのか、困惑しつつも、げっと言わんばかりの顔をする黒羽快斗に確信する。
「そんでもって江戸川コナンと同一人物だって事も知ってるんでしょ?」
「………!?」
なんだろう。なんだろう黒羽快斗。彼すごく可愛くないか?何故それをと言わんばかりの顔でびっくりしていらっしゃる。
「いやぁこの間キッドの時に工藤が猫かぶってなかったから知ってるんだろうなってカマかけただけ」
「おいおいマジかよ…」
「マジだよ」
「それで?」
「工藤新一が縮んだのには理由がある」
「知ってるぜ。それ」
突然ニヤリと笑って、聞きたいか?聞きたいだろ?みたいな顔をしているコイツが可愛い。なんだこの男子高校生。男子高校生ってこんな可愛い生き物だっけ?困惑。
「うん。それは私も知ってる」
「……」
(なんだこの可愛い生き物はぁぁ!!!)
なんとも言えない苦虫つぶしたような顔をして心なしか不貞腐れているのが面白いというか何というか。
一つ揶揄ってみるかと、爆弾を打ち込む。
「だって私も縮んで高校生やってるから」
「……は?」
「いやね?私実は警察でその工藤を小さくさせた薬を作った犯罪組織を追っていたんだよ。でもヘマやらかして見つかって。毒薬飲まされて目が覚めたら、縮んでだってわけ」
「は、は、はぁ?」
「そんで高校生やってるだけど、私の生活圏内に同期がいる事がわかって、指紋照合されたらひとたまりもないっていう…ね?」
そう言うと黒羽快斗は考え込んで成る程なんて呟く。
「まっ、嘘だけど」
「はぁ!?」
「ふっふ〜騙された?まだまだだねぇ」
ニヤニヤ笑うと黒羽快斗は耳を赤くしてくそっ騙された!と荒ぶる。
「君すごく揶揄いがいがあるね」
「そうゆーのは思ってても口にするなよ…」
「いやぁ正直者なのでぇ」
「どの口が言う」
「 えへへ」
「褒めてねぇよ」
ズビシと手刀を落とされる。
「でも、わかった指紋手袋はやるよ」
「え、いいの?」
黒羽快斗は一つ頷いて立ち上がる。
「だから壊滅頑張ってね。公安のお姉さん?」
バッグを背負って耳打ちし、ニヤリと笑って出て行く彼の背を見送る。
「あれバレてたか」
警察としか言ってないのに公安とまで指定された事に驚きだ。
「さっすがIQ400」
拍手を送りつつ自分も帰り支度をする。
(とりあえず指紋の心配は無くなった)
キッド様様だなと心の底から礼を言う。
455人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒木(プロフ) - 風野さん» 風野様、ご指摘ありがとうございます、すみませんアニメでは見ていても小説に平次くんを出したのは初めてで気付きませんでした!助かりました!!本当にありがとうございます。引き続きAPTX4869をよろしくお願いします!! (2019年8月18日 22時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
風野(プロフ) - 初コメ失礼します。初コメがこんな内容で申し訳ないのですが、平次くんの一人称はオレではないでしょうか?間違っていたら申し訳ありません!大好きなお話だけに気になってしまって、、いつも楽しく読ませてもらっています! (2019年8月18日 22時) (レス) id: b410b73e9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒木 | 作成日時:2019年7月26日 21時