第96話 ページ13
カランコロン
涼しげな音を立ててドアのベルが鳴る。
カウンターの奥にいた梓さんが目を見開いて驚いていたがすぐに口元に人差し指を当てがえばコクコクと小さく頷いてくれる。
ベルが鳴ったせいで視線をドアの方へ移した蘭の視界を遮る。
「え……」
混乱する蘭の声がかすかに漏れて、私は特に声を変えることもせずに問う。
「だーれだ」
「えっ、嘘っ!!A!?」
「ふふっ嘘じゃないよ正かーい」
視界を明ければ蘭はその大きくて綺麗な目をまん丸にして振り返る。
「ドッキリせーいこーう!!」
私と園子はハイタッチして、園子は蘭の隣に私は向かいに腰掛ける。
「それで工藤行方不明なの?」
「えっとね、それが……」
言葉を濁らせる蘭に園子がため息をつく。
「連絡は取れるみたいだし、事件の時には何度か現れたこともあったんだけどまぁ……蘭はサァビシィのよねぇ〜」
シリアスな感じから突然顔をニヤニヤさせて蘭をからかい始める。
「なっ違うって園子!!」
真っ赤になって頰を膨らませる蘭に私までニヤニヤしてしまう。
「あっそれとね、コナン君っていう男の子を預かってるんだ」
「………預かってる?コナン?」
聞きなれない単語に首を傾げると、江戸川コナンという少年をかくかくしかじかで預かっているのだと説明を受ける。
「なぁーまいきなガキンチョなのよ」
小学一年生で生意気ならさぞかし可愛い事だろう。
「あとね、このポアロに!とんでもないイケメンが来たのよ!!」
「それが今日の本命とみた」
「ご名答」
深く頷く園子の瞳が光る。
「金髪に褐色の肌で青い目なの!!!」
(金髪ガングロ碧眼………)
「名前はね、安室透っていうの最高にカッコいいんだから!!」
同期とは違う名前に一安心するも、もしあやつだとしても本名を使うとは思えないので、心の底がざわざわする。
「安室さんならさっき買い出しにいったからそろそろ帰って来ると思うよ」
カウンターの奥から梓さんが教えてくれるのでさらに冷や汗が滲む。
(本当に本人か確認しないともし降谷だったら今会ったらボロが出る!!)
「ごめん……会いたいのは山々だけど、実は私今朝戻ってきたから荷物とか何も片付いてないんだ。今度学校帰りにでも紹介してよ。私今日は帰らなきゃ」
ごちゃごちゃ言っている暇はない、惜しそうこちらを引き止める園子と蘭を置いて私はポアロを飛び出した。
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黒木(プロフ) - 架印靴気» 99話のアメリカとのクォーターとなっているのは夢主(来栖の設定)の方を指していたのですが、作者の力不足により誤解をお招きしたことお詫び申し上げます。改善をさせていただいたので、ご確認の方よろしくお願いいたします!報告ありがとうございます!! (2019年8月7日 20時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
架印(プロフ) - 99話に関してですが、世良さん含む赤井家3兄弟妹は、“イギリス”とのクォーターですっ! (2019年8月7日 19時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - くるクラさん» メッセージありがとうございます、頑張ります! (2019年7月17日 7時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 初コメント失礼します。やっと降谷さんが同期組に会えた!!感激です!更新頑張ってください (2019年7月16日 21時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 松田さん降谷さんにだけはどこそれ構わず喧嘩腰な気がするんですよね、安室さんではそれは買えないので、早くストッパー役の夢主ちゃんに出てきてもらわねば… (2019年7月16日 21時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年6月25日 21時