APTX4869 ２【名探偵コナン】

第47話 ページ6

「まず重心は腰に落とせ。開いた足の前側に力を入れて…


渡米して2週間。私は戸籍カモフラージュのために学校に通いながら家では筋トレや体づくり、武術のレパートリーを増やすべくトレーニングを繰り返している。

過度にしすぎない加減や、イメージの持ち方。精神コントロール。アフターケアまで充実していてそういったところは頼もしいのだが、流石に「鍛えるのは体だけではない。目や耳、足音を立てない歩き方も学んでもらう」と言われ、忍術を出された時は苦笑いしてしまった。





「人心把握術も学んでいて損はないだろう。心理学に興味はないか？」

今後の私のスケジュールを調整しながらウェルベンぱぱが尋ねてくる。

「興味ない事はないです。学んでみても？」

「わかった」

中学生の頃、人の心が分かれば人生イージーなんじゃなんかろうかと、厨二ながらに思ったことがある。あの時の厨二具合はひどかった。

(本当に特別な才能が目覚めると信じていたからな…)

若気の至りだ。

「……それにしても君の成長は目まぐるしいな。この調子でいけば2年も要らないだろう。Mr.白沢の準備が完了次第日本に戻るか？そこで普通の高校生活を送るのも悪くはないだろう。組織に潜入するための作戦の時に、1度帰ってくればいい」

「考えておきます」

(日本に戻るか……)

一体自分はどんな風に処理されているのだろう。死んだことにでもなっているのだろうか。

ふと、松田の顔が浮かんで、それを無理やり振り切って心の奥に沈める。

(結婚だなんて言ってくれたけど、全部知った時にはどんな顔するやら…待っててくれるって言ってたけど、私小さくなってるしなぁ)

26の私は早生まれなので1を足す。

(27マイナス15は12………うわぁ)

12歳差はキツイなと乾いた笑いをこぼす。

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