APTX4869 ２【名探偵コナン】

第81話 ページ45

「君が第1発見者の来栖Aさんだね。詳しく聞かせてもらっていいかな」

私が高校生でさらに蘭や園子などの連れがいることから比較的優しく接してくれる刑事さんにありのままを伝える。

店内には4時半と絶妙な時間から、私たちと同じように学校帰りの学生が2人と女子大学生が1人と音楽家だと言う男性が1人そして最後に殺された被害者の彼女だと言う女性の8人がいた。

あとは厨房のスタッフを含め店側の4人。

もっとも容疑者として疑われているのは彼女の井口さんなのだが、彼女は違うと主張し、女子大学生の春川さんを指差す。

「貴女がやったんでしょう！和彦さんを誑かしてこの泥棒猫！！」

ここで新たな関係図の登場。どうやら女子大生の春川さんは森野さんの浮気相手らしい。指名された春川さんはお門違いだと言わんばかりの顔で主張する。

「何を馬鹿ことを言うんですか！？貴女気でも触れたんじゃないですか？浮気された貴女ならまだしも、愛し合っていた私に和彦さんを殺す理由がありません！！」

確かに。その場にいる誰もが井口さんを犯人だと言う目で見つめる。

「なっ何よ！！私じゃないわ！！そんな目で見ないでよ！！」

騒ぐ井口さんを刑事さんが落ち着かせる。
私は先程遺体となってしまった森野さんの様子を思い出す。死因はなんらかの中毒死と見て取れる。

井口さん春川さん森野さんのテーブルには、コーヒー２つに紅茶とケーキ。ふと、男物のカバンが置かれている位置を見て謎が解けた。

「井口さん、春川さん。森野さんはもしかして、甘党だったりしませんか？」

その問いかけに片方の様子がおかしくなる。無論他の人にはわからない些細な変化だが、来栖は決してそれを見逃さなかった。

(アメリカでウェルベンに習ったことがここで活かせるとは)

「そうよ、あの人甘いものが大好きだしそれしか食べないような人だったけど、それがなにか？」

井口さんは訝しげに眉をひそめる。私は春川さんの方を向いて貴女は何を頼んだのかと尋ねた。彼女はコーヒーと答える。

私はこの2人の主張とテーブルの食器の配置に関する不自然さを説明した。
私が推理を述べるごとに疑いの目は春川さんへと向いていく。

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