第75話 ページ34
「じゃ、別に2人は付き合ってる訳じゃないのよね?」
「うーん。と、いうか友達ですらないよ?多分………」
くっつけられた机。
夕日という後光で顔が暗く表情はうかがえない。
私の向かいに座る園子お嬢様様の隣では真っ赤に顔を熱らせた毛利蘭がモジモジと顔を俯かせる。
(あぁ、帰りてぇ)
ここ数日図書室での猛烈アタックをことごとくスルーしてきた私だが、周囲はそうは思わないらしく、工藤新一は転校生に夢中らしいとかなんとか噂が流れ、聞きつけた2人によって私は聴取を受けている。
「じゃあの推理オタクが勝手に押しかけてなんとかなっちゃってるのね〜」
「そうそう」
ブンブンと首を縦に振ると、毛利蘭がほっと肩を落とすのが視界に入る。
「大丈夫だよ、私サッカーより断然スポーツは剣道派だから」
グッジョブサインを出して毛利蘭にウインクを飛ばすと、みるみる赤くなっていく彼女は可愛らしい。
「じゃ問題はあの推理オタクよねぇ」
考え込む園子お嬢はハッと思いついたように顔をしかめる。
「三角関係…!!」
「それはない」
「バーローんなんじゃねぇーよ」
昼ドラ展開を連想する彼女にツッコミを入れる。
「あれ?新一」
話題の中心人物が現れ、私たち3人はちょっとどよめきながら給食班のようにくっつけた机の4つ目の席に彼を迎える。
「んでなんだコレ」
不思議そうにする工藤新一の発言に私たちは顔を見合わせてちょっとね。と、声を揃えて答える。
「それじゃ、疑問も解消されたわけだし帰ろうか」
立ち上がる私に女子2人は頷いて机を戻す。
毛利蘭の恋を成就させるため、何か協力できることがあればいつでも声をかけてと、一応の社交辞令を述べて、校門前で3人に手を振る。
今度こそ私の日常に彼らが介入して来ることはないだろう。
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黒木(プロフ) - 涙凪さん» 涙凪様、ありがとうございます。やる気湧きました週末までには更新させて頂きます。頑張ります。 (2019年6月20日 21時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
涙凪(プロフ) - 頼む!続いてくれ!感動するほど面白い。更新頑張って! (2019年6月18日 22時) (レス) id: df4ede43e0 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 夢主の潜入スキルみたいなのを出したかったのですが、やり過ぎてしまいましたかね(;´Д`)早急に話を進めて日常に戻します! (2019年4月21日 22時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 黒木さん» 夢主、何か怖いです。ヤクザの内部から壊すんだろうけど……読んでいくと怖くなってきてしまいました (2019年4月21日 21時) (レス) id: d271bd57c6 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - iqqvyuuさん» iqqvyuu様、ありがとうございます! (2019年3月22日 23時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2019年2月20日 21時