APTX4869 7 【名探偵コナン】

第287話 ページ28

コナンside

「ぜ〜てぇなんかあると思うんだよなぁ」

博士の家で、蘭には話せない予感のような落ち着かない勘を吐き出すように言葉にする。
コナンは焦ったように声に出すものの、動きようもないので頭をかきむして机に伏せた。

「まぁ、何かあったとしても教えてもらえはしないわよ」

「なんでだよ」

「あら、だってあなたは子供じゃない。巻き込むわけにいかないわよ」

灰原は当然よと言わんばかりに手にしたマグカップの中をかき混ぜた。

「赤井さんは突然アメリカ帰っちまうし、最近安室さんもポアロに見かけない…」

「じゃあ彼女は？公安の…彼女まで連絡がつかないなら何かあるかもしれないわね」

小さく呟いた灰原に、コナンはガバッと上半身を起こしておしりポケットからスマホを取り出す。来栖も最近見かけない上に、蘭の様子が最近おかしかったことを思い出す。何かあるのかもしれない。

電話でもかけるかと勇んだ時、もう一方のスマホから着信音が鳴り出した。

「おっと」

「もしかすると噂の彼女からかもね」

「だといいけど……って、安室さん！？」

「！」

コナンは驚きながらも灰原なら聞かせてもいいかとスピーカーフォンにして通話ボタンを押す。

「もしもし安室さん？」

「やぁコナンくん今ちょっと話せるかな」

「大丈夫だよ！最近見かけないけど何かたてこんでるの？」

「あぁ…流石だね。でも連絡したのはそのことじゃないんだ。雪平…来栖のことについてちょっと確認がしたくてね」

「来栖…ねぇちゃんのこと？」

「あぁ、彼女…いや君もか。…APTX4869については知っているよね？」

「！！」

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