APTX4869 7 【名探偵コナン】

第278話 ページ19

雪平が揃えた幹部の動向をもとに配置やタイミングおおよその流れを組み立てていく本番はこれの二割も望んだようには行かないのだろうが、全体の士気や目的確認のためには必須の工程になる。

我々公安は主に雪平について杯戸シティホテル周辺を包囲、交通課と連携も取り交通規制を行う予定で進めている。まあ実際に偽の事故による交通規制と知るのは一部の人間に過ぎないが、このように各方面に根回しは必須だった。各国から集まっていた諸国の警察やそれに準ずる担当官は日本にそもそも事態の把握のために集まっていたため、話がつくと蜘蛛の子を散らすようにかえって行った。

大方手配を済ませた降谷は会議室を借りてノートパソコンを開く。黒田管理官との予定まで三十分の猶予があるのを確認しデータベースを開いた。

終盤FBIの連中が騒いでいた計画について…
ジョディ・スターリングが非人道的と唇を噛み、吐き捨てた計画には聞き覚えがあったのだ。

「あなたたちこんなことをして許されると思っているの！？」
「ジョディ落ち着くんだ本人は自分の意思で参加している、その道を君に否定する資格はない」
「でも！」

そうやり取りをする彼女らの口からグッドプランと発せられるのを聞いて引っかかるものがあったのだ。何かはじめはいいアイディアでもあるんだろうと聞き流していたがどうやらそのプランを先に進めていたのは日本警察の方らしい。するとグッドプランは単なる会話上の褒め言葉とは異なってくる、つまり隠語。グッドとは良い状態を表す言葉で一般では親指を立てるサインで表したりもする。このサインは指文字で6を表す。
6にまつわる計画なら知っている。いつか雪平のデータベースで見た六年計画！！盲点だった。見たのが随分と昔のことだったからすっかり頭から抜け落ちていた。彼女が突然公安に移動し、潜入捜査を命じられるのに裏があったことは間違いないだろう。雪平がアメリカの戸籍を取得しているのもFBIの協力があったから…しかしこの計画が明かされていないということは自分にまだ話していない何かが彼女にあると降谷は確信する。


(そもそも計画の全容が自分には開示されていない…赤井に聞くほかないのか)

いやもしかすると彼女と仲の良かった彼のほうがしっているかもしれない。降谷は何度か助けられた少年のことを思い出してかぶりを振った。

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