第48話 ページ50
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「何考えてる?」
「…体重重くないかなってこと」
「色気がないな」
「うるさいです」
「何が?」
___心臓が___
言いかけて言えない状況に気づく。
リップ音も立てずに離れていった唇の感覚がまだ残る。
「い、ま……」
自分の唇に手をあてて固まる。
「ふっ真っ赤だな」
嬉しそうに目を細めて笑う降谷さんに上手く言葉が出ない。
「だっだって今…」
「今?」
わかってて聞き返してくる辺り本当に降谷さんは意地悪だと思う。
「なっなんでもない」
そっぽを向いて降ろせと急かす私に降谷さんはクスクス笑う。
「逃げるな」
風になびく髪を耳にかけ直され、降谷さんを見つめると、彼は私から目を逸らさない。
「逃げてない」
いたずらに笑う降谷さんの頰に手を添える。
「ちょっと驚いただけ」
そう呟いて今度は私からくちづける。
「冷えるから、行こう」
手を繋いで歩き出す。
お互い黙ったままだけど、居心地悪いとかそういうのはなかった。
潮風が濡れた足を撫でて冷やす。
砂がまとわりついた桜貝の爪が少し剥げていた。
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お話が一杯になったので続編に移行させていただきます。
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あふらん(プロフ) - すごく面白いです!夢主の性格が本当に好きです。もしかしてクズの本懐知ってますか?意識されてる様なところがあった気がしたので、もしかしたらと思いました。違ったらごめんなさい! (2019年3月28日 12時) (レス) id: d39cf90419 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - バニラさん» バニラ様、メッセージありがとうございます。うわ、本当に、お恥ずかしい。早急に修正させていただきます!本当にありがとうございます!! (2019年1月3日 10時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 論理ではなく倫理じゃないでしょうか (2019年1月3日 1時) (レス) id: f20c080281 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - ハク様、メッセージありがとうございます。嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年12月31日 19時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハク - とても面白い作品で一気読みしてしまいました!応援してます♪ (2018年12月31日 18時) (レス) id: 6941855deb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2018年12月30日 17時