私が一番欲しいもの【安室透】

第43話 ページ45

コナンside


「安室さんにシフトの日を聞いておかないの？」

そのほうが手っ取り早いし無駄もないだろうと尋ねる。

「そうなんだけど、シフトいつですかー？って聞くともろに好きです会いたいですって言ってるみたいじゃない……」

語尾が段々と小さくなっていくAさん。

「それに、こうして通って、たまに会えたって、なる方が会えた喜び？が大きいから、これでいい」

顔を赤くして俯くAさんに、俺は何を見せられているのだろうと、思わず賢者になりかける。

「そんなに好きなら早く告白しちゃえばいいのに」

「うるさい小1。君こそ毛利さんに告白したまえ」

急にキャラが変わったAさんにうわ始まったと頭が通知を知らせる。
俺に自分のうちを全て明かしてしまったAさんはこうしてたまにうざ絡みして来る酔ったおじさんのようになるのだ。

「年の差？べらぼうめ、男は心の広さが1番だ。怯むことはない！突き進め！！」

胸に手を当て、楽しそうに笑うAさんに苦笑いしかでない。

「同じ家だからって油断しちゃいけないよ、なんたって毛利さんは帝丹高校裏人気投票でTOP10に入るモテ子さんだからね！」

そう言ってからピシッと固まる。

「でも、毛利さんは休学中の工藤新一君と、夫婦……工藤君はコナン君と親戚……昼ドラ！！」

カッと目を見開いて推理するAさんにため息をつく。

「蘭姉ちゃんと新一兄ちゃんは夫婦じゃないよ、それに昼ドラにはならないから安心して」

説明しても、応援してるぞ少年とか半分ふざけて笑うAさん

(まあ、工藤新一も江戸川コナンも俺なんだけどなぁ、ははぁー)

通常モードに戻ったAさんと世間話を再開する。

(告白つっても、安室さん。Aさんのこと満更でもなさそうだし、………もしかして？)

まさかな、でも、Aさんを応援したいとも思うので、やっぱり俺は今日も傍観者に徹することにする。

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