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第35話 ページ37

「迎えに来たよ」

仕事を片付けて校門を出たらこれだ。

「……はぁぁぁぁぁ」

「そうため息をつかなくても」

「貴方って本当面倒くさい!」

迎えに来たよって、はぁぁ、全然カッコ良くない!!目の前でピシッとスーツを着こなす男に疲労感しか感じれない。

「今日が最後だから」

「そう言って一体何回私が付き合ったと思ってるの?もういい加減にして」

「そう、怒るなって」

いらっときて、睨み付けると、男はにっこり笑って手を差し出す。

「馴れ馴れしくしないで、貴方のせいで最高の週末が最悪になりそう。私は帰るから、さよなら」

「いいのかい?」

「何が……」

一瞬の感情で失敗しないよう、一応立ち止まる。

「僕は君に出会った時、運命の人かと思ったんだ」

げぇ

「けれど君は簡単に手に入らず、夜を共にしても心を手に入れることは出来ないと悟った。そこでね、僕は」


動画を撮ったんだ。


それが耳に届いた途端、なんとも言えない嫌悪と憎悪、恐怖が全身を包んで足が震えだした。

「美しい君を永遠に僕のものにしたくてね。これを世に流されたくなかったら、僕と共にまたあの美しい夜を僕にくれないかい?」


え、何言ってるの?

聞こえない、聞きたくない、

これが私のしてきたことの報い?
自業自得?

そうだね、散々男で遊んできたような女が、あの人の隣に居たいだなんておこがまし過ぎる。


やり直したいとか思うことも出来ないほどに自分は堕ちていたのか。


私は顔を上げ、いつもの通りに微笑んで見せる。

「喜んで」




深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ

私がこの男の心を弄んでいた時、この男は私の運命を弄んでいたというのか

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あふらん(プロフ) - すごく面白いです!夢主の性格が本当に好きです。もしかしてクズの本懐知ってますか?意識されてる様なところがあった気がしたので、もしかしたらと思いました。違ったらごめんなさい! (2019年3月28日 12時) (レス) id: d39cf90419 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - バニラさん» バニラ様、メッセージありがとうございます。うわ、本当に、お恥ずかしい。早急に修正させていただきます!本当にありがとうございます!! (2019年1月3日 10時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 論理ではなく倫理じゃないでしょうか (2019年1月3日 1時) (レス) id: f20c080281 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - ハク様、メッセージありがとうございます。嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年12月31日 19時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハク - とても面白い作品で一気読みしてしまいました!応援してます♪ (2018年12月31日 18時) (レス) id: 6941855deb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒木 | 作成日時:2018年12月30日 17時

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