第33話 ページ35
.
「降谷さん、今日の授業死ぬほどわかりやすかったんですけど、貴方って出来ないもの無いんですか?」
帰りは何故か安室さんが送ってくれると言い出して、絶賛ドライブ中の私。
降谷さんは少し考えるようにする。
「………特にありませんね」
「自信家か、えー人間誰しも欠点はあるものでしょう…あっ、実は運動オンチとか?」
「ジュニアの時テニスの大会で優勝したことがありますよ」
「優秀かよ…って、それより普通に話してよ」
「普通に?」
降谷さんは運転しつつ首をかしげる。
「そ、私はこんなに降谷さんに話しかけているのにさっきから答えてくれるのは安室さんばかり…そろそろいじけますよ」
フンと鼻を鳴らせば、降谷さんはまたハハっと笑う。
「降谷が好きなんだったか?」
「なにやら語弊を感じます」
それはきっと気のせいだ。そう笑われて思わず顔を背ける。
(このイッケメンがぁ)
安室さんの時の貼り付けたような笑みとは違って、目を細めてくしゃりと笑うのに思わず鼓動が跳ね上がる。
(心臓うるさい…)
「拗ねるな、次からこれで話せばいいんだろ?」
「…わかればいいです」
前を向き直して、背筋を正す。
「…隈、今日も凄いですね」
「隈?」
「はい。お仕事、忙しいのか知りませんけど目の下の隈が隠しきれてませんよ〜。睡眠時間適度に取らないと効率下がりますし、体……………。と、とにかく、ちゃんと寝てくださいね」
体調崩されたら心配します。
それは以前の私なら発していた言葉で、今の私ではとても口にすることの出来ない言葉。
求められるためではなく、心の底から思っていることを伝えたくて、その言葉は自分の中に飲み込む。
「私、安室さんのことが嫌いです」
「また、それか」
「ごめんなさい」
「…………何かあったのか?」
「いえ?何も」
ごめんなさい。違うの、傷つけたいとかそういうのじゃないの。ただ何か言わないと思わず好きになりそうだから、だからって嫌いと言って良いわけじゃないよね、ごめんなさい。
私、本当はきっと……________
379人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あふらん(プロフ) - すごく面白いです!夢主の性格が本当に好きです。もしかしてクズの本懐知ってますか?意識されてる様なところがあった気がしたので、もしかしたらと思いました。違ったらごめんなさい! (2019年3月28日 12時) (レス) id: d39cf90419 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - バニラさん» バニラ様、メッセージありがとうございます。うわ、本当に、お恥ずかしい。早急に修正させていただきます!本当にありがとうございます!! (2019年1月3日 10時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 論理ではなく倫理じゃないでしょうか (2019年1月3日 1時) (レス) id: f20c080281 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - ハク様、メッセージありがとうございます。嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年12月31日 19時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハク - とても面白い作品で一気読みしてしまいました!応援してます♪ (2018年12月31日 18時) (レス) id: 6941855deb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒木 | 作成日時:2018年12月30日 17時