私が一番欲しいもの【安室透】

第2話 ページ4

コナンside


最近帝丹高校に新しい倫理教師が来たと蘭と園子が話しているのを聞いて、知らぬ間に自分の周りの環境が変わっていくのに焦った。
それと同時にその教師が喫茶ポアロの常連客になったことを聞いて、一つ疑惑が浮かぶ。

工藤新一について調査するために送り込まれた組織の一員なのではないか。


真相を確かめるべく、安室さんに協力を得て、来店したことを教えてもらい、いざポアロに踏み込むと、そこには拍子抜けするような綺麗な人が佇んでいた。

男の理想を詰め込んだような、そんな可憐な人。


俺は気を取り直してその人に近づく。

「お姉さん見かけないね、ポアロの新しいお客さん？」

自分でも慣れてしまった猫かぶりでその人に声をかける。
その人は読んでいた本から視線をこちらに向けてふわりと微笑んだ。

柔らかい石鹸の香りが鼻先をかすめる。

「そうだよ、ここの紅茶が美味しくて。そういう君はこのお店の常連さんかな？」

率直に、綺麗だ。その一言に尽きる。

その人は小さく肩をすくめて、1人で来たの？隣に座る？と、自分の隣の席を引いて、またふわりと微笑えんだ。

第3話→←第1話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す