私が一番欲しいもの【安室透】

第18話 ページ20

「ペンギンの次はイルカ見ようぜ！あんなけでかかったらお腹いっぱいになれるだろ！」

「歩美もイルカみる！！」

「待ってください歩美ちゃん、元太くん！イルカショーは2時30分からですよ！！」

「あっ？ショー？わっと」

「おっと、ごめんなさい」

元気な子供にぶつかってしまった。

「もぉ、元太くんが前を見ないからですよ！」

「お？そっかそっかわりぃわりぃ」

頭を掻きながら謝る子にしゃがみ込んで、こちらこそごめんねと謝る。

「おーい、何してんだおめぇら、ってAさんと安室さん！？」

「あれ、コナン君？」

「ほんとだー！安室さんがいるー！！」

「ほんとだ安室の兄ちゃんじゃねーか、なんでこんなところに」

「しー！デートですよ！！男女2人で水族館なんてデートに決まってます！」

コナン君の友達であろう子たちは安室さんの知り合いでもあるらしく、なにやら可愛いらしい憶測をたてていて微笑ましい。

「やぁ、君たちも同じ水族館だなんて奇遇だね」

「博士が連れてきてくれたのー！」

「あれ？そういえば灰原はどこ行ったんだ」

「そ、それなら哀くんはさっきトイレへ行ったぞい」

「ねぇーちゃんは安室の兄ちゃんの彼女なのか？」

元太君という少年から面白い質問うける。

「お、おい、元太「う〜ん、違うかなぁ」」

止めにかかってくれるコナン君にウィンクを飛ばす。

「安室さんとは、ともだちです」

なんだぁーと、途端興味がなくなったように話しだす少年少女に苦笑する。

「Aさんは子供が好きなんですか？」

意外だと言わんばかりに尋ねてくる安室さんに

「えぇ、好きですよ。子供はとても純粋ですから、可愛いですしね！」

と、素直に答える。そう、私にないものを持っているしね。

「お姉さんも一緒に回ろうー！！」

女の子に手を引かれ、安室さんと顔を見合わせる。

「それじゃ、一緒に回ろうか」

こうして水族館デートは終わりを告げた。

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