第15話 ページ17
「…綺麗……」
呟けば、それは良かったと目の前のイケメンは笑う。
「喜んでいただけて光栄です」
キザな台詞もホテルのレストランで食事というこの舞台も、彼だからこそ引き立つロマンチックな台本。
「夜景を観ながら食事をする」というこのデートに双方おそらく特別な感情は無い。
「安室さんは最近ポアロに来たばかりと伺ったのですが、以前はどちらに?」
「……ちょっとした研究機関に」
ヘマをやらかして飛ばされたんです。恥ずかしいので秘密でお願いしますとその綺麗な唇に長い人差し指をあてがう。
「えぇ、失敗を…」
「失望しましたか?」
「いえ、そんな…むしろ親近感が湧いてきました」
ははっと笑いをこぼす彼に見入る。
ハラハラと金髪がこぼれて揺れ、その姿にぎゅっと心臓を捻られたような感覚が広がった。恋をしたような錯覚さえ起こす。
(…大した御人ね)
デザートのフルーツタルトを味わいながら彼と微笑み合う。
「今日はありがとうございました」
「いえ、こちらこそ」
「とっても楽しかった…」
帰りの車の中で今日のお礼を述べる私に安室さんはひたすらに頷き、謙遜する。
「そうだ、次は映画なんてどうです?」
「いいですね!最近公開されたミステリー観に行きましょう」
こうして約束に約束を重ねる。
彼は一体何をしたいのか
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あふらん(プロフ) - すごく面白いです!夢主の性格が本当に好きです。もしかしてクズの本懐知ってますか?意識されてる様なところがあった気がしたので、もしかしたらと思いました。違ったらごめんなさい! (2019年3月28日 12時) (レス) id: d39cf90419 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - バニラさん» バニラ様、メッセージありがとうございます。うわ、本当に、お恥ずかしい。早急に修正させていただきます!本当にありがとうございます!! (2019年1月3日 10時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 論理ではなく倫理じゃないでしょうか (2019年1月3日 1時) (レス) id: f20c080281 (このIDを非表示/違反報告)
黒木朔(プロフ) - ハク様、メッセージありがとうございます。嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2018年12月31日 19時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハク - とても面白い作品で一気読みしてしまいました!応援してます♪ (2018年12月31日 18時) (レス) id: 6941855deb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2018年12月30日 17時