第73話 ページ25
コナンside
博士の家でメカの修正をしてもらっていると、携帯がかすかに震えて着信を知らせた。
「ん、なんだ?」
Aさんからメールが届いており、なんかの誘いかと開くと、逆に謎の謝罪文が送られていた。
「…今日映画の約束なんてねぇーけど…」
ふと、違和感を感じてもう一度文面を読み直す。
◇◇◇
コナン君、ごめんなさい。今日の映画に行けなくなっていまいました。
お金は心配しないで、また今度行こう。
PS.この間借りた推理小説「造花の蜜」、黒く汚してしまいました。ごめんね(汗)
◇◇◇
「……」
「どうしたの?何かあった?」
灰原がじっと端末から目を離さない俺に声をかける。
「なぁ、灰原。メールを送るなら普通送る相手の名前は書かないよな?」
「さぁ?人によるんじゃない?誰から来たの?」
「Aさんから」
「…そう」
Aさんから送られたメールの履歴を全て確認する。
「今までのメールに、こんな風にコナン君へなんて打たれてない」
「それじゃ」
「あぁ、わざと送ったんだ、約束した覚えのない用事をわざわざ断るメール…」
「つまり、送り間違いでないことを貴方に伝えるため」
「でもなんでわざわざ?…造花の蜜って本知ってるか?」
「…それ、誘拐ものの本よ」
「なっ!」
「ちょっと見せて」
灰原が端末を奪ってメール文を読む。
造花の蜜は誘拐ものの小説。ミステリーではないため、推理小説ではない。そこをあえてそう言ったのは、AさんからのSOSということだろう。"お金の心配しないで"つまり、身代金は必要ない。黒く汚してしまいました?……まさか!
灰原から端末を取り戻し、上着を引っ掴む。
「ちょっ工藤君!!」
「Aさんが危ない!」
「えっ、な…」
何かを叫ぶ灰原を置いて、スケボーで走り出していた。どこにって多分本能的にポアロだ。
今安室さんに伝えないと、後悔をする気がした。
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黒木(プロフ) - nanakoneko775さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけたのなら幸いです。 (2019年8月18日 18時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
nanakoneko775(プロフ) - はじめまして、とても素敵な作品でした。君が代の現代語訳と物語がほんとにマッチしていて最高な作品でした。 (2019年8月18日 12時) (レス) id: 6f70dc1dd3 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - アキさん» アキ様ありがとうございます!!至急訂正させていただきます!! (2019年8月13日 16時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - とっても素敵な作品でした。94話の最後の『再開』は『再会』ですよ。 (2019年8月13日 11時) (レス) id: 99c22898e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - さちさん» さち様、ありがとうございます!今はAPTX4869【名探偵コナン】という作品を連載させていただいているので、是非読んでいただけたら嬉しいです。 (2019年2月16日 11時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2018年12月12日 12時