第68話 ページ20
カランコロン
通常営業のポアロへ足を踏み入れる。
「あっAさんこんにちは!」
梓ちゃんが笑顔で迎えてくれる。
「こんにちは」
私は安室さんをデートに誘うという重大な任務を抱えているので、とりあえず誰にも聞かれないように、カウンター席に座る。
安室さんは、顔を上げずにコーヒーの準備を始めた。
(今じゃ、なくていいかな?)
気まずいと感じているのは私だけかととりあえず安室さんの様子を伺う。
(別にいつも通りだよね…)
チラチラ見ていると、梓ちゃんがニヤニヤしながら私に話かけてくれた。
「Aさん、今日すごくお洒落ですね、どこかお出かけですか?」
聞きながらも視線は指輪に向いており、この指輪の相手と出かけると思っているのがわかる。
「え、えぇまぁそんなところ」
正確に言えば誘いに来ただけだが強ち間違いではないのでとりあえず頷いておく。
「!!じゃ、デートですね「すみませーん」」
目をキラリと輝かせたのと同時にオーダーが入り、梓ちゃんはそちらへと名残惜しそうにかけていく。
「同じ方ですか?」
「へ?」
急に声をかけられて顔を上げるとカウンターから安室さんがブレンドコーヒーを渡してくれた。
「先程、別の喫茶店で談笑していた方と?」
「あ、えと、いえ。彼はただの友人です」
「……ただの友人ですか」
「はい」
「向こうがそうは思っていなかったら?」
「はい?」
突然可笑しなことを言われて思わず聞き返してしまった。
「それはあり得ませんよ」
だって本人は否定していたが、快斗君には可愛い可愛い幼馴染のアオコちゃんがいるのだから。第一高校生と29歳では対象外もいいとこだろう。
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黒木(プロフ) - nanakoneko775さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけたのなら幸いです。 (2019年8月18日 18時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
nanakoneko775(プロフ) - はじめまして、とても素敵な作品でした。君が代の現代語訳と物語がほんとにマッチしていて最高な作品でした。 (2019年8月18日 12時) (レス) id: 6f70dc1dd3 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - アキさん» アキ様ありがとうございます!!至急訂正させていただきます!! (2019年8月13日 16時) (レス) id: 0488b133c6 (このIDを非表示/違反報告)
アキ - とっても素敵な作品でした。94話の最後の『再開』は『再会』ですよ。 (2019年8月13日 11時) (レス) id: 99c22898e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒木(プロフ) - さちさん» さち様、ありがとうございます!今はAPTX4869【名探偵コナン】という作品を連載させていただいているので、是非読んでいただけたら嬉しいです。 (2019年2月16日 11時) (レス) id: 1361aa9fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒木 | 作成日時:2018年12月12日 12時