Snow Rainbow (ページ6)

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桃.ver ページ6

孤児院の部屋。1人の男の子が泣きながら眠っている。机の上には明日の分の食料と水。部屋中に溢れかえる寂しい空気。隣の部屋からは楽しそうな笑い声とうるさいくらいの喋り声。話題はいつも1人な2歳の子。その子は寝ながらこう呟く。
『さみしいよ…………ママ。』

ぼくはずっとひとりだった。ママもパパもいない。おともだちもいない。まいにちおとなのひとがきてパンとかおみずをもってきてくれるけど、はなしたことはない。ずっとさみしかった。ひとりでたべるごはんはおいしくないし、まいにちつまんない。
ママもパパもどうしてぼくをおいていっちやったのかな？むかえにきてはくれないよね。だってぼくは………………バケモノだから。

―――1年後

ある日、先生が1人の男の子をつれてきた。
先生『今日からこの子と一緒に暮らすのよ、大。』
桃「その子はどうして僕といっしょなの？」
先生『この子もあなたと同じだからよ。』
桃「分かった。僕はもう1人にならないの？」
先生『ええ、そうよ。良かったわね。ほら、名前を
教えてあげなさい？』
桃「僕は桃澤大だよ！きみは？」
緑「ぼ、ぼくは、み、緑川、亮介。」
桃「亮介くんは何才なの？」
緑「にさい。」

それからすぐ僕達はなかよくなった。亮介は僕より1個下だから弟ができたみたいですごくうれしかった。亮介は親に捨てられちゃったんだって。僕と同じでバケモノだって言われてたんだって。亮介から聞いたんだ。はじめの方は人見知りしてたから心配だったけど仲良くなれて良かった！これでもう、寂しくなんかないよ。