Snow Rainbow (ページ5)

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遠い日の記憶紫.ver ページ5

薄暗い部屋の中、鳴り響く食器の割れる音、怒鳴り声と泣き声が共鳴する。部屋の中には罵声を浴びせる1人の男性と泣き叫ぶ小学生の男の子。
紫「いやだ、やめて…」
紫父「うるせぇ！お前に拒否権なんかねぇんだ！」
紫「母ちゃん、助けてよ……。」

今日も学校に行く。行きたくないけど、行かなきゃ父ちゃんにまた怒られちゃうから。
モブ1『やーいバケモノー！』
紫「…っ、」
モブ2『なんで学校来たの？来ても席ないよ？w』
紫「別に、いい。」
俺の席、悪口がいっぱい書かれてて、座ったらかなしくなるの。でも、母ちゃんが言ったんだ。

紫母『いい？龍哉、どんなに辛くても小学校だけは
行きなさい。そうじゃなきゃ生きていけない
からね。卒業したら逃げてもいいから。』

母ちゃん、辛いよ。もう逃げたい。早く逃げたいよ。なんで、なんで母ちゃんは俺を置いてったの？母ちゃんがいればここまで辛くなってないよ、きっと。卒業まであと１ヶ月。ここを耐えれば俺は……。

―――１ヶ月後

俺は卒業した。小学校とこの地獄の生活から。母ちゃんが死ぬ前、逃げる時はこれを持っていきなさいって渡してくれたたくさんのお金とリュックいっぱいの荷物を持って何も言わずに俺は家を出た。父ちゃんは今仕事に行ってるからバレなくて済むんだ。
駅で切符を買って初めてひとりで電車に乗った。母ちゃん、俺、頑張ったよ。今から母ちゃんが教えてくれた場所に行くんだ。ウラシャカイっていうところ。どんな所かわかんないけどそこに行けば仲間ができるんだよね？