【d!】恋文は破り捨てて。【gr】 (ページ6)

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「ねぇ、裏切りだよ？俺とのズッ友同盟は何処に行ったの？まさか忘れたとか言わないよね？ねえ？」

『煩い、耳元で話すな、お前とそんな同盟を結んだ覚えはない』

「あ、そう言うってことは認めるってこと？ねぇ、そういうこと？」

『…何故お前がそのことを知っている』

ぴくとを白と表すならば、こいつは青だろう。
しかも、澄んだ青なんかじゃなく、淀んだ青だ。
私が総統の座につくのと同時に、こいつ、らっだぁの総統の着位も決まった。
外交と称して問い詰められたのは、この国のことではなく、先日のパーティーで抜け出した彼とのことだった。
冷たく返せば、顔を気色悪いほどに歪めて、更に野太い声を出すのだから、呆れる。

「あーあ！ズッ友同盟が1人消えましたぁ、ぴくとさんこれどう思う？」

『…お前か』

「いやはや、これは列記とした裏切り行為ですよね？ね？」

青と白が何やら馬鹿げた話をしているので、近くの兵士に外交は終わりだと伝えれば、私の思考を察したのか、静かに、まるで私を労わるように苦笑いをしながら、承知しました、と言った。
私が扉から出掛けようとしているのに気づいたのか、2人が何処に行くのかと引き止めた。

「あ、まさか例の男のとこに行くんだ！やだ！おませだなぁ！」

『すまないが、馬車の手配を頼めるか、15分ほどで支度を済ませる』

「今日はいつもよりも着飾ってるのはそう言うことか！」

『あと、らっだぁは5分以内に城から出なかった場合出禁と貿易の話は無かったことにするように』

「え、ちょっ、待って！それは洒落になんない！」

『洒落じゃないからな、ならなくていい』

にやりと笑いかければ、ぐぐ、と悔しそうに項垂れている。
それを見て、先程まで仲間だったはずのぴくとも肩を震わせ笑っている。
ぴくとにも準備するように伝えれば、すぐに部屋を出て廊下を走って去っていった。
未だに項垂れているらっだぁを慰めるように肩を叩いた。

『そんなんだから国民の反論も止まないんだぞ』

「何言ってんの、あれは俺への愛だから、嫌がらせって言う名の愛だから」

『未だに何で国が崩壊しないのが不思議だよ、そしてお前が総統に任命されたことも』

「愛嬌とかじゃない？」

『今すぐ辞任を進めるよ、それより、いいのか？』

「…？何が」

『あと、3分だが』

ここから玄関まで何分かかるか、よく出入りしているこいつなら分かることだろう。
顔が青ざめれば、全身青一色の化け物の出来上がり。