4日目 ページ4
そして1ヶ月間、彼女に丁寧に戦闘技術を教えてもらい、見事軍の試験に合格した。
審査員の中に、彼女もいたので、少し…否、かなり緊張したが、身体に染み付いた動きで何とか乗り切った。
私を入れて、新入生は5人。
その中で勿論女は私だけだが、私以上に、良い意味で目立ちすぎている男がいた。
「何や、今年たったの5人かいな、しけとんなぁ」
「でもまあ、目的の人物2人は確保できとるし、ええやろ」
『シイナ、汗ちゃんと吹いて、風邪引いちゃうから』
「ん…自分で拭けますよ、Aさん」
『拭かずにほったらかすじゃない、こうでもしないと、すぐ風邪引くんだから』
私は砕けた敬語で、彼女は私をシイナと呼び、そして敬語はなくなった。
年上で上司である故、その方がしっくりくるのだが、まるでお姉さん、お母さんのように世話を焼かれている。
周りの目もあるので、出来る限り顔には出さないようにしているが、内心心臓が飛び跳ねている。今にも出そうなくらいに。
懐かれた、のだろうか。
「…コネシマさん」
「おっと駄目やでショッピ君、入って早々問題起こさんといてな」
「…まあ別に、先輩たちほどタチ悪くなさそうなので、いいですけど」
「おぉショッピ君、ちょうど裏庭にマグマあんねん、被ってくか？」
「やだなぁゾムさん、被らされる前に殺しちゃうんで勘弁してくださいよ」
よく分からない会話が隣から聞こえてくるが、この1ヶ月で分かったのは、彼女を除く幹部の人達が、異様なまでにAさんに溺愛していることと、Aさん自身、あまり、その行動は面白くないようだ。
いつも顔を顰めている。
すぐに直って、いつもほど笑顔は多くないが、普通に、仲良く話しをしている。
『シイナ、お風呂入っておいで、お湯張ってあるから』
「え、でも…」
『いいから、女の子が汗臭いままなんてはしたないのよ』
そう言って背中を押されて、早く、と言われてしまったので、渋々部屋へと向かった。
私の過ごす部屋は、Aさんと同じ部屋だった。
広くて寂しい、女の子1人じゃ心配だ、折角だから仲良くなりたい、などの理由をこじつけられ、私は彼女と同室になった。
「今日も綺麗だなぁ…Aさん…」
勿論、この気持ちは仲良くなった今でも健在中だ。
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ぱずる(プロフ) - 感動してボロボロ泣きましたwなんと言えばいいのか分かりませんが、とても素敵なお話でした。面白かったです!! (2021年4月30日 1時) (
レス) id: 6fda5d1ca9 (このIDを非表示/違反報告)
そういろね(プロフ) - みみみさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ありません！書き終えてから少し走り気味だったかもと反省していた部分があったので、好きという言葉をいただけて本当に嬉しいです！他の作品もよろしければ見てやってください。 (2020年3月6日 0時) (レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
そういろね(プロフ) - わたあめさん» コメントありがとうございます。返事が遅くなってしまい申し訳ありません！走りが気になってしまった部分もあり少し心残りのある作品だったので、そう言っていただけると嬉しいです！他の作品もよろしければ見てやってください。 (2020年3月6日 0時) (レス) id: 3979da825c (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - やっと見つけました！ 本当に好きです！ (2020年2月16日 17時) (レス) id: a3e96579f7 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 初コメ失礼します…？感想っていうか…この話本当に好きです。他のどんな話よりも。本当に。作者さんに尊敬の花束を。 わたあめ(語彙力溶けた) (2019年7月31日 11時) (レス) id: 058dc021e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そういろね | 作成日時：2019年4月9日 19時
