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「Aって大先生のこと好きなんかな」
「はあ？」
どういう経緯を辿ってその結果にたどり着いたかはわからないが、そこにいた全員がシャオちゃんに対してそう反応した。
まあそうだろう、誰がこんな浮気性のクズに心が惹かれるものか。
それに、Aはこいつら並みに俺の浮気話を聞いてきたし、同じくらい俺が屑ということは知っているはずだ。
「いや、ないやろ、何言ってんねん、シャオロン」
「だって、何か違和感あんねんもん、大先生とA」
「違和感って、何が」
「この前シッマが風邪引いた時、A来んかったやん、大先生の時は、委員会すっぽかしてまで行ったんやで？」
「ちょっと悲しくなるんやけど」
「気のせいやろ、その日の気分とか、Aにもあるんやし」
そうだ、そんなことがあり得るはずがないのだから。
確かに、視点を変えてみればそういうアピールに思えてしまうような態度はいくつかあったし、未だに理由がわからない、理由がわかっていても、大袈裟では、と思うようなほどに尽くしてくれることは何度もあったが。
それは偶然だろう。
「でも、俺知ってんねんで、高校の時しよっちゅう2人で遊んどったん」
「は？そうなん、大先生」
「いやいや待てや、大先生は彼女おったやん、俺らと違って大丈夫や思って気軽に家行きやすかっただけかもしれんやん、それに、Aが大先生好きって決まったわけやないし」
「せやで、シャオロン、第一、大先生はAのこと好きやないらしいし」
「え、そうなん？」
「…ん」
「どう見ても好きやと思うけどなぁ、大先生」
オスマンが見定めるように目を少し開き、心理を見透かすように語りかけてくる。
オスマンのこういうところは苦手だ。
やけに鋭くて、どれだけ上手く取り繕っても、意味がない。
その目から自身の目を逸らして、笑って告げた。
「いや待ってや、よく考えて見てくださいよ、Aが僕の何処好きになるん言うんですの、シャオちゃん焦って変な考えしたんかもしれんけど、そんな心配せんでもええやろ」
「でもなあ…」
「シャオロン、そんな気になるなら本人に聞けばええやん、A、昔から隠し事はあんませぇへんし」
「何か探るみたいなのはなぁ…変に聞いてAに警戒されるのも嫌やしなぁ…」
「なら、大先生聞けばええやん」
「1番問題ないしな」
問題大有りだよ畜生。
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作者名：そういろね | 作成日時：2019年4月4日 4時
