【プロセカ】神高の生徒会長には秘密があったようで｡

１２…追憶 ページ13

3年前。

僕は中学３年生。

中学でも生徒会長を務めていた僕だったけど、

生徒会長の意向だけで学校が動くわけじゃないし、お悩み相談室なんてものももちろんなかった。

ただ、困っている生徒がいたら積極的に声をかけて、相談に乗ってあげることも少なくなかった。

生徒から相談に来ることもあった。








そんな中で、ある日相談に来た生徒が一人いた。

ただ、言いづらい内容なのか、口を噤んでしまっていた。

そのまま下校時間になったので、さすがに帰ることにした。

無理に聞き出すのもどうかと思って。

『また気持ちの整理がついて、落ち着いて話せるようになったら、遠慮せず相談してほしいな。』

なんて、



本当は



ちょっと



話さないなら



最初から来ないでよ、



って



思ってしまった自分がいて



自分のことが少し嫌いになった。



そして、



無理にでも聞けばよかった、って



後悔した。











，










そのまま相談に来なくて、


急に転校してしまって


屋上から飛び降りたって











･













･











彼女はいじめられていたらしい。

そりゃあ話すにも話せないわけだと

ストンと腑に落ちた。

誰かに相談したことが知られたら、もっといじめが酷くなる

ありふれたことだ。


でも､あの場で無理に聞き出していたら？

彼女は辛い思いを呼び起こして､酷くなるかもしれないという恐怖を持ちながら話をしないといけなくなる。

でも､あの場で無理に聞かなかったから

彼女は僕の目の前で、包帯だらけで白いベッドに横たわっている。

彼女は一命を取り留めた。

これだけ聞くと喜ばしいかもしれない。

彼女は？

“死ねなかった”という気持ちの方が大きいだろう。

意識はあり、記憶もある彼女は、

僕を見るなり、

“なんで気づいてくれなかったの”

と呟いた。

勝手に責任を感じて、毎日お見舞いに行って看病していた僕に、

“ほっといてよ！お節介なの！”

と叫んだ。



なんでよ、相談に来たのに言わなかったのはそっちじゃん

いや、でも怖いから相談できなかったんだよな…？

じゃあなんで飛び降りるんだよ、相談しとけばよかったんじゃん



なんで？




なんで




なんで




どうすればいいの










，
















，



















その日、私(･)は

どうすれば正解だったのかわからなくなった。

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