ひろし達との小学校生活 3

リレー 3 ページ6

走り出した。ひろし君が。日向君とのバトンパスは完璧すぎなぐらい完璧で、日向君が空ける距離をひろし君がさらに空け、今のところ私達はダントツ1位だ。

「頑張ってー！ひろし君！」

「負けないで〜！」

流石ひろし君だ。なんだか女子の声援しか聞こえて来ないし、挙句の果てには1組以外の女の子からも応援されてる。
ひろし君はそのまま大森さんにバトンを渡した。

「春香頑張ってー！」

滅多に大声を出さない仲村さんが言う。大森さんは番号を示した服をなびかせながら走っている。
2位の子が速いということもあってギリギリ1位で仲村さんに変わった。

「はい！由理恵。」

「ありがとう春香！」

またまた素晴らしいパスを見せてくれた。私もそろそろ並ばなきゃ。

「よし。」

不思議と緊張は無かった。それと似たようなものがうようよしてる感じ。仲村さんの走りをじっくり見たかったのだが、今度は私の番なんだから、集中しないと。

「来た。」

いい感じに走って仲村さんがこっちに来るのを待つ。

「はい。」

バトンを落とすこともなく、しっかりとバトンは私の手に収まった。

「ありがとうございます。」

ちゃんと受け取った瞬間走る。周りとか気にしちゃいけない。私は走り抜けなきゃ！

リレー 4→←リレー 2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す