ひろし達との小学校生活 3

記憶 ページ45

「あーハンカチ忘れちゃいました。」

手を洗ってる時、たまたまとなりにいた香月さんがハンカチを忘れたようで手をブラブラさせていた。

「……ハンカチ、貸しましょうか？」

香月さんはとなりに私がいたことを知らなかったのか大変驚いた表情で、ありがとうございますと、手をふき始めた。

「……」

なんかものすごくこの光景に見覚えがある。いつだったか。

「香月さんって、転校する前、私と会ったことありますか？」

ほぼ冗談で聞いた。そんなのありえないし、会ったことなら分かるはずだし。

「……そーですね。あるのかもしれませんね。」

予想の斜め上の発言をした後、香月さんは教室の方へ戻っていってしまった。
でも今思えば前にも誰かにハンカチを貸したような。

＿＿＿＿＿＿

「うわぁずぶ濡れだ……サイアク。」

「ハ、ハンカチですけど貸しましょうか？」

「？！い、いいの？迷惑かけちゃうよ？」

「大丈夫ですよ。私のことはいいですから。風邪、引いちゃいますよ。」

＿＿＿＿＿＿

会話だけだけど思い出した……ような気がする。あまりにも些細なことだったからそんなちゃんと覚えてないのか。

キーンコーンカーンコーン

「あっ。早く行かないと。」

急いで教室に戻った。

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