ひろし達との小学校生活 3

バレる ページ43

京助視点

「何見てるの？」

「おわっ。」

誰の声かも確認する暇もなく急いでソレを隠す。後ろを向くとその正体は由理恵ちゃんだった。

「なんだ由理恵ちゃんかぁ〜。」

「私で悪かったわね。そんなことよりも、何隠したのかしら？」

そりゃ自分が来た時に相手が慌てた様子で何か持ってたようなら誰でも疑うよね。特に由理恵ちゃんは鋭いし……。

「別に何でもないよ。椅子から落ちそうになっただけ。」

苦しい言い訳だけど大丈夫かな。

「あらそう。京ちゃんはよく落ちるわね。」

何とか流れたみたいだけど、安心感が来ないな……それで納得されても僕がただのドジみたいじゃん。これでも運動神経は学年一位なんだけど……。

ドコッ

「由理恵ちゃん？！」

ものすごい勢いで僕の背中の後ろにある棚の中のソレを手に取る。

「嘘がバレバレだったわよ。ふ〜ん。香月さんの資料？何一目惚れでもしたの？」

「違うよそんなんじゃないって。ちょっと気になっただけ。盗れそうな位置にあったし……。」

由理恵ちゃんはそんな僕を見て何も言わなかったけど冷たい視線を向けてきた。やっぱり由理恵ちゃんは厳しいな。大人っぽいし、もしかして人生二回目？

「バレちゃったら仕方ないけど……この性別のところ見て！」

「男、ねぇ……。興味深いわね。」

やっぱり由理恵ちゃんにも香月さんは女の子に見えたみたい。僕だけだったらどうしようと思った。

「普通にLGBTの人だったり、女の子に見える男の子かもしれないけど、なんかありそうな気がするんだよね。勘だけど。」

「天才の勘ねぇ。」

そう言って由理恵ちゃんは資料とにらめっこを始めた。

あれ今僕何気なく褒められた？！

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