ひろし達との小学校生活 3

歌声 ページ37

月日はとても早く流れた。特に何もなかったか、楽しかったか。おそらくその両方だろう。最近時が過ぎるのがものすごく早いような気がする。

「うぅ……ハックション！」

「はい。テッシュ。」

「サンキュー……」

店長君は寒さに弱いようで、最近ではテッシュの減りも早くなってきた。今日で11月の初め。学校での行事では……音楽会の季節。

「うぁぁぁぁぁ！」

歌詞とか音程とか無視してとにかく叫ぶのがひろし君。個人で練習してる時はいつもあんな感じだ。

「おいちゃんと歌えよ……。」

弱し君は逆に音程があっててすごくうまいのだが声が小さい。それが弱し君。

「別にまだ本番から時間あるから練習しなくてよくね？」

と言ってるのはイグラム君。イグラム君が歌ってるところは正直見たことない。

「僕いつもなぜか二学期の成績表だけ音楽の評価ちょっと低いんだよね〜。」

京助君はイグラム君みたいに歌わない。多分成績が少し低くなってるのは練習をしないからだろう。

「お前らよくそんなはしゃげるな……。」

風邪じゃないのに風邪みたいになってる店長君。そういや喉が痛いとかなんとかで練習はしていない。

「エアコンここの学校ありませんからね。」

ちなみにもちろん夏も暑い。扇風機でしのいでいるのが夏だった。来年にエアコンを付けてくれるって言う噂が流れてるのだが一向に気配はない。

「そういやAちゃんの歌声って綺麗だよね。」

「えっ。綺麗かは知りませんけど……聞いたことありましたっけ？」

歌声とか聞かれるの恥ずかしいから音楽の授業の時でも隣に聞こえてるのか？ってくらい小ちゃいし人前では絶対歌わないのに。

「偶然Aちゃんの家の前通った時に庭を放棄で掃除してたっけ？その時聞こえたんだよ。」

「そうなんですか。」

全然気づかなかったなあ。あでもそういえばその日京助君らしき人をちらっと見たような気もする。

音→←こぼした

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