ひろし達との小学校生活 3

らしい ページ29

京助視点

これで最後の一冊。ちなみに生き物のことが書かれている本見たい。表紙にパンダがいる。

「他に落ちてない？」

「ええ。助かったわ。ありがとう。」

「ふふ。」

今日はレアな由理恵ちゃんが見れた。お礼を言ったり、本を落とすなんておっちょこちょいなことしちゃってたり。

「京ちゃんが何を背負ってるか私は全く知らないけど、頑張ってね。」

「……うん。」

由理恵ちゃんと今ぐらい仲良くなったのは三年生からだった。それまではおんなじクラスだったりしたけど、友達とは言えないレベル。仲良くなって本当に良かったと思う。

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。授業の始まりを知らせるチャイムだ。

「やっば！」

急いで教室に向かった。由理恵ちゃんの姿はもう見えない。気づいてたのか……言ってくれたらいいのに、いや、言わない方が彼女らしいかな。

「遅刻してすみません！」

そう言って椅子に座る。遅刻してすみません……授業に間に合わなかった人はだいたいこの言葉を言って椅子に座るのだが、ちゃんと思って言ってる子は多分いない。

「おう。大丈夫だ。忙しかったんだろう。」

先生はそれ以上の言葉なく授業を始めた。自然と店長君達の方を見る。ひらひらと手を振ってくれていた。

「おい。ちゃんと前向けよ。」

弱し君が言ってくる。真面目君はやだな〜。ま、それがいいところなんだけどね。

＿＿よし、今日も教科書を立てて、おやすみ〜。

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