リハーサル ページ2
この前食べただし巻き卵。美味しかったなぁ〜。
なんて、現実逃避をしてしまう。何故なら。
「Aちゃんてっぺん頑張って!」
ピラミッドの頂上に選ばれたから。しかもこの日が初めてじゃないのに、5回ほどしか練習はしてない。まぁそれで普通は十分なのだろうけど、私は緊張で胸がはち切れそう。
「やだなぁ〜。」
ついついネガティブになってしまう。
組体操は私達の代で終わるらしい。だからこの学校にとっては、最後の組体操というわけ。だからかプレッシャーも凄い。
「頑張れ!後ちょっとだ!」
先生は下の子達を励ましている。頂上に立つメリットは、身体的にしんどくないこと。精神的にはものすごくしんどい。落ちたら死ぬかもしれないもん。
ピッ
この笛の音で私は立つ。私の番だ。
__やっぱり高い。初めてやるみたいに、いやそれ以上に緊張してしまう。
(ごめんなさい)
心の中でそう叫びながら上にのぼる。
これをのぼったら1番上の場所まで来た。下を見ちゃいけない。素早く、でも慎重にのぼる。
ピッ
「「いっせーので。」」
1番上から1個下の子達が立つ。エレベーターのように上がり、どう足掻いても、下が見えてしまう。
運動会なら聞こえると思うが、今は応援の声は先生だけしか聞こえない。
ピッ
「いっせーので。」
1番上は私一人だから、1人だけそう言う。足が震えてしまうが、必死で止め、立ち上がる。
「キープ!キープ!」
きっと下には私がもし落ちた時のために支えてくれる先生達がいる。死なない。大丈夫だ。
「きゃ。」
少し右足のバランスが崩れてしまった。危うく落ちるところだった。多分たまたまだろう。本番は大丈夫なはずだ。私は1番楽な場所なんだから。
ピッ
「「いっせーので。」」
下の子がしゃがむ。もうすぐ、もうすぐ緊張から開放される。私はもうそつっとおりるだけ。
「ふぅ。」
成功してよかった。少しバランスが崩れかけたのが気がかりだけれど、先生も気がついてるはずだし、明日には、きっと完璧なパフォーマンスが出来るだろう。
「大丈夫だったか!」
「店長君……。」
目の前を見ると、いつの間にか全員おりていた。お茶を飲んだり、休憩している。
店長君……次男子の番なのに離れて大丈夫なのだろうか。
「緊張したけど、大丈夫だよ。それより戻らなきゃ。」
「良かった。じゃあな。」
店長君は自分の列に戻っていく。
__本当に、大丈夫なのか?
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピーター(プロフ) - S極さん» ありがとうございます。すごく嬉しいですし元気が出ました。宣伝みたいで悪いのですが、一応ひろ日記の新作は出してます……続くかは分かりませんが。 (2022年6月11日 5時) (レス) id: b3c4d73398 (このIDを非表示/違反報告)
S極(プロフ) - こんにちは!とりあえず完結おめでとうございます!2年ほど前からずっと愛読してました、、、!時には泣けたり笑えたり恋しくなったりの素晴らしい小説だと思います!!続かないのは残念ですが、今までお疲れ様でした!もし新作が出たらそちらも愛読させて頂きます!! (2022年6月7日 19時) (レス) id: 588720a56c (このIDを非表示/違反報告)
ピーター(プロフ) - ユナさん» すみません。出ないです……この頃少し病んでいてちゃんと書いてなかったので、申し訳ないです(もしかしたら別シリーズでひろしの日記のものは書くかもしれませんが)本当にすみません (2022年5月14日 0時) (レス) id: b3c4d73398 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ - まだ、続き出るんですか? (2022年5月12日 15時) (レス) id: 1310695dbb (このIDを非表示/違反報告)
ピーター(プロフ) - くろすおーばーさん» ありがとうございます! (2020年5月4日 22時) (レス) id: b3c4d73398 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピーター | 作成日時:2020年4月28日 10時