ひろし達との小学校生活 3

案内 ページ40

「鈴木さん鈴木さん。校内案内してもらってもいいですか？」

休み時間が始まった途端に香月さんは話しかけてきた。私の時もだがみんな新しい生徒と喋りたいはず、と周りを見たがみんな喋りずらそうにしていた。

「ええと、いいですよ。」

私も校内を案内してもらったな。私の場合は先生だったが。分からないままじゃ困るだろうし、別にやって損はないだろう。

「やったー！嬉しいです。」

そんな案内するだけで大袈裟とは思ったが悪い気はしない。元気で明るくてこちらも笑ってしまいそうになる。

「あのクラスって個性的な人が多いですよね。帽子を被ってたり色々……これからが物凄く楽しみです。」

確かに今思えば私のクラスはほかのクラスと違い少し決して悪い意味じゃないんだけど、変わった人が多いような気がする。

「帽子を被ってる人というのは店長君とイグラム君ですね。店長君は面白くて優しくて……イグラム君はとても頭がいいんです。私の大切な友達です。」

「……。」

香月さんは急に足を止め、下を向いた。なんだろう、なんだか、怖い。

「香月さん？どうしたんですか？」

「鈴木さんって友達思いで優しいんですね！」

不安とは裏腹に香月さんは私に笑顔を向けてきた。安心して案内を続ける。

「それにしても鈴木さんは店長君が好きだったりするんですか？」

その言葉にドキッとしてしまい思わず振り向いてしまった。

＿＿こんなのイエスを言ってるのと一緒じゃないか……

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