ひろし達との小学校生活 3

騎馬戦 2 ページ11

とにかく私は集中した。避けて取って、とられそうになったら交わして……それだけを考えていたらいつのまにか勝っていた。

「勝っちゃった。」

あっけなかったと言うのは失礼だが、今の私の思ってることはこの言葉が一番近かった。

「やったな。」

「店長君……はい。そうですね。」

ハイタッチを交わす。相手チームは怒ってはなさそう。

ピッ

この笛の音は確か席に戻るんだ。私は店長君と一緒に席へと戻った。
もうすでに次の学年、四年生が運動場へ出る準備をしている。

「次組体か〜。靴下と靴脱がなきゃ。」

「あ、確かに。」

組体操は滑らないように、とか、痛くないように靴と靴下を脱がなければならない。
緊張する。今まで考えないようにしてたけれど、そんなことしても時間はやって来る。頑張らないと。

「落ち着け、んな滅多に落ちないんだから。」

「そうですけど、ごくたまに落ちる人いるじゃないですか。」

飛行機は落ちることはほぼないが、ごくわずかな可能性で落ちることがある。それが怖くて飛行機に乗れないみたいな感じだ。

「落ちても大丈夫だ。俺が助ける。俺に任せとけ。」

「……はい。」

自信に溢れている店長君を見ると、不思議と不安は消えていった。
＿＿そうだ、大丈夫。これまでも練習してきたとき落ちたことなんか一回もなかったじゃないか。
そう自分に言い聞かせた。

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