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待ち合わせ場所に着くと、
イルミネーションはもう消えていた。
やってもうた。
1人、時計台の下で立っている彼女を見つけ、
後ろから抱きしめる。
少し震えている。
長い時間、待っててくれたんやもんな。
「…許さんから」
"ごめん"と謝る前に
彼女からそう言われる。
「…まだ、なんも言ってへん。」
「ふふっ、
許さんから！！(笑)」
彼女が笑っているのがわかる。
「ごめん、遅なって。
イルミネーション消えてもうてるなぁ…」
「流星、ちゃんと来てくれたから、嬉しい！」
その言葉を聞いて、
さらに強く抱きしめる。
ずっと、Aに笑っててほしい。
そばにおりたい。
その仕草も笑顔も何もかも、
独り占めしたい。
「わぁっ……！！」
Aの驚いた声で
首に埋めていた顔をあげる。
「え、」
さっきまで消えていたはずの
イルミネーションが、
キラキラと輝いていた。
「なんで…？」
「やった！流星！
見れたやん、一緒に！！」
そう言って振り返るA。
あ、ずっとバックハグしてたんやった。
「えっ！
あははははっ(笑)」
すると、俺の顔を見るなり笑い出す。
「え、何…？？」
訳がわからず、あわあわしてしまう。
「ありがとう、サンタさん」
すごく嬉しそうに、
微笑むA。
サンタさん…？
「あ、」
そう、今日はサンタコスで参加した
生配信のイベントやった。
その時に被ってたサンタ帽を、
そのままで来てしまったんか…
やから、楽屋出る直前
皆びっくりしてたんかぁ。
気づかんかったわ(笑)
「もしかして、サンタさんのおかげ？」
「当たり前やん(笑)」
いや、本当はなんで
イルミネーションがついたか
知らんけど(笑)
イルミネーションの中心で、
2人で笑い合う。
きっと、世界で一番
俺らが幸せやで、A。
笑顔が見れて良かった。
Nissy / GIFT
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
