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「……また、あの夢か」
両耳にぶら下がる、たくさんのピアス。
テーブルにコンビニで買ってきた弁当。
見渡しても君のものは無くて、
綺麗に片付いた、俺の部屋。
君はどこにも居ない。
気づいたら泣いていた。
何回この夢見んねん。
未練たらたらすぎ。
君が、やっと下の名前で
呼んでくれるようになった頃、
俺は、君を束縛するようになった。
君はサークルに入ってたから、
よく飲み会に行ってて、
一度、イケメンで長身な男に
連れられて帰ってきた。
「りゅうせい」なんて、
下の名前で呼び捨てしてて。
俺のことやって、
最近やっと下の名前で
呼んでくれるようになったのに。
そこから、俺の中の
"嫉妬"という感情が大きくなって、
女々しいくらいにAを縛ってた。
当然、Aに別れを告げられて、
俺たちは他人に戻った。
いや、元は"友達"やったけど、
"他人"になってしまった。
付き合った証、として開けたピアス。
きっと君は今も、綺麗に光ってる
ピアスをを着けて笑ってる。
俺の知らない誰かの前で着けてるなんて、
考えただけで吐き気がする。
俺に開けてもらったピアス、なんて、
思い出しもしないんだろう。
俺は、寂しさを埋めるように、
自分でピアスを開けるようになった。
今じゃもう、
10個のピアスホールがある。
…なにやってんねやろ、俺。
「元カノに開けてもらったピアス、
もう塞いだらええやん」
て、友達に言われたけど、
これは、
あいつと付き合ってたことの証で、
それを忘れんように、刻みつけるように、
Aと１つやったってこと
形にしてくれるやつやから、
塞ごうかと考えても、
無意識にあのファーストピアスを
着けてしまってる。
未だに、君にピアスを
開けてもらった瞬間を
思い出してるよ。
俺が幸せに、
したかったんになぁ。
ReGretGirl / ピアス
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作者名：ひよこまめ | 作成日時：2021年1月14日 13時
