僕らのはんぶん。 (ページ3)

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半透明人間(緑) ページ3

緑side

「智洋、ごめん、
　別れてほしい。」

大好きな彼女とは付き合って2年で、
平和な毎日を過ごしてると思い込んでた。

「え…、急に、なんで？
　俺なんかダメやった？」

「ちゃうねん、急じゃなくて、ずっと考えててん。嫌いになったわけやなくて、うちが悪いねん。」

ずっと前から考えてたってこと？

昨日の夜、愛しあったときも、そのこと考えてたん？

嫌いになったわけやないなら、
なんで別れるん？

…なんて、言えるわけもなく、
聞き分けの良いフリをして、

「わかった。
　いままでありがとう。
　もう、会わへんようにするから…

　最後に、キス、していい？」

「…いいよ。」

最後のお願いとして言った言葉。

君はやさしいから、
本当は嫌なはずなのに、
受け入れてくれたんや。

そして、彼女は
半同棲状態だった部屋を出ていった。

ｰｰｰｰあれから、１ヶ月。

彼女とは、同じ大学やから、
偶然授業で会ってしまうことも多く、
なかなか忘れられずにいた。

もう会わへんようにするって、
無理に決まってるやん(笑)

男の影もなさそうやし、
本当になんで別れたんやろうと思う。

君の携帯の番号も、LINEも、
消せずにおるなんて、
君は知らんやろうな。

どうせ話せなくなるんなら、
思い切りフってほしかった。

「嫌いになった」とか、
「もう好きじゃない」とか。

そういってトドメを刺された方が、
こんなにも君のことを考えずに済んだかもしれんのに。

あんな曖昧な終わり方で、
忘れられるわけないやろ。

目を凝らしたら、
笑った君も泣いてた君も、
ぼんやり思い出せるのになぁ。

なんや、
俺もAの前からちゃんと消えれてないけど、

Aやって、
俺の記憶から消えてくれんやんか。

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