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Aが立ち上がろうとすると、茉希ではなく火縄が背中に手を回した。
そのまま身体をひったくられ、火縄の腕に埋まる。
俗に言う、お姫様抱っこだ。
「ちょっと火縄中隊長、私大丈夫ですよ」
もがいてみるが鍛え抜かれた腕からは一向に抜け出せない。
Aに肩を貸そうと思っていた茉希は予想外の展開に脳内でお花乙女畑を開始していた。
「一度意識を失ったんだ。無理をさせる訳にはいかない。甘えろ」
最後が命令形だったことと、言った言葉に反する眼光の鋭さに圧倒される。
「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます……」
そっと火縄から目線を外しておいた。
「騎士王である俺がするべきだと思うのだが」
「うるせー。だったらヒーローの俺も、だ」
後ろでブツブツ呟きながら喧嘩している二人の会話は絶対にAの耳には入っていないだろう。
先程までいた所から数メートル歩くと、森羅が「あッ」と声を零した。
「なんだ？」
「俺ちょっと大隊長に言うことがある！ 中隊長に伝えといてくれ」
「……わかったぞ」
「桜備大隊長！」
別方向に向かっていた桜備は後ろから聞こえた声に足を止めた。
「なんだ？ シンラ。中隊長たちはあっちだぞ」
森羅が先程まで歩いていた方向を指さしてみるが、一向に身体を動かさない。
「中で不審な男と会いました。謎の粉と爆発を操る男です」
「！」
桜備の肩が少しだけ跳ねた。
「大隊長が天井の下敷きになった先日の現場の火事場荒らし……あの時の爆発とよく似ていました。
その男は何か知っていそうでした。俺の母さんが死んだ十二年前のこと。それに、死んだと思われていたAの過去も。
特殊消防隊は何かを隠しているんですか？」
「シンラ……」
沢山の情報に息が詰まる。
森羅の真剣な瞳から目が離せない。
「俺はみんなを守るために消防官になったんです！ 消防官は炎の恐怖と戦うヒーローなんですよね？」
「そうだ……だが、一口に特殊消防隊と言ってもこの組織は一枚岩ではない」
桜備は息を吸った。
「お前に話そう……第8を結成した理由を」
森羅が第8の元に帰るとき、誰かの声が聞こえた気がした。
――――「青キ焔」と。
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口癖はやばたん - ものすごく面白いです！更新これからも頑張って下さい! (2020年1月13日 22時) (
レス) id: d4b7620c45 (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - ろいさん» 文字数の関係で全然ご要望にお答えすることが出来ませんでした……すみません。少しでもドキドキして貰えたら嬉しいです。また機会があったら書き直したいです。リクエスト、本当にありがとうございました！ (2019年12月18日 21時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - れさん» わわわ！こちらこそありがとうございます！！ (2019年12月15日 10時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
れ(プロフ) - うっ！！！ありがとうございます(><)勢い余って本垢とサブ垢でフォローしちゃいました！！！好きです！！！！ (2019年12月15日 10時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - れさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！！とても励みになります！フォローどうぞ！！ (2019年12月15日 10時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TWINS | 作成日時：2019年7月22日 11時
