第四話：怪しき冒涜者 ページ22
「例の物、用意できてるか？」
「ちゃんとできてるよ」
「こいつを使えば面白いことになるぞ」
「青い炎じゃないので私じゃありません。さすがに気味が悪いです……消していいですか？」
Aが尋ねると皆が賛同するように頷いた。
嘲笑う炎に向けて青い炎を投げると、すぐに着火する。
茉希が炎を消した時のように手で丸め込んだ。
炎が跡形もなく消えた。
「おお……」
森羅が感嘆の声を漏らす。
「突入するぞ！」
「「はい！！」」
中に入ると、玄関には綺麗な花束が置いてあった。"焔ビト"がいるのを忘れそうなぐらい大きく咲きほこっている。
隣の小さな熊のぬいぐるみには"MIKAKO"と書いてあった。
「静かだな。誰もいないように思える。本当に"焔ビト"がいるのか？」
「情報だとリビングにいるようです」
「さっきのドクロの炎のこともある！最近頻発している事故と関係があるかもしれん気をつけろよ！」
身を引き締める。
何故か、背中がぞわりとした。
「ここがリビングだな」
家の突き当たりまで行くと目的地があった。
「い"い"い"い"……ら"……しゃぁあ……い"い"いい」
頭だけが"焔ビト"と化していた。
嬉しく歓迎しているように見える。
「"焔ビト"を確認……」
「大人しく座ってますね……」
Aが言うと隣で森羅がそうだなと返した。
ギギギと音を立てて燃え続ける"焔ビト"。
その姿を見て、アーサーはなにかを決心したようだ。
リビングの棚には花束ではなく、家族写真が飾ってあった。
父、母、そして娘。どこから見ても幸せな家族。
「なんでこんなことが……」
桜備は悔しそうな、苦しそうな顔をした。
「俺に鎮魂をさせてくれ――――……」
"焔ビト"を見据えるアーサー。
「ちょっと待てよ。あの"焔ビト"まだ何もしてないだろ」
森羅の意見には、Aも同感だった。
何もしていない、害のない者を殺していいものなのか。
「バカヤロー！！ あのあの親父とてつもない炎の痛みに耐え座っているんだぞ！早く楽にしてやるんだ……」
正論だ。
「アーサー始めてくれ」
「これ以上の痛みを与えるワケにはいかない……。俺のエクスカリバーで安らかにねむれ眠れ」
剣からプラズマを発火。
「炎ハ魂ノ息吹……黒煙ハ魂ノ解放……灰ハ灰トシテ……其ノ魂ヨ……」
「炎炎ノ炎二帰セ」
突き刺した。
「ミカコォ」
"焔ビト"が消えていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 538人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
口癖はやばたん - ものすごく面白いです！更新これからも頑張って下さい! (2020年1月13日 22時) (
レス) id: d4b7620c45 (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - ろいさん» 文字数の関係で全然ご要望にお答えすることが出来ませんでした……すみません。少しでもドキドキして貰えたら嬉しいです。また機会があったら書き直したいです。リクエスト、本当にありがとうございました！ (2019年12月18日 21時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - れさん» わわわ！こちらこそありがとうございます！！ (2019年12月15日 10時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
れ(プロフ) - うっ！！！ありがとうございます(><)勢い余って本垢とサブ垢でフォローしちゃいました！！！好きです！！！！ (2019年12月15日 10時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
TWINS(プロフ) - れさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！！とても励みになります！フォローどうぞ！！ (2019年12月15日 10時) (レス) id: 3bba864c65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：TWINS | 作成日時：2019年7月22日 11時
