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それから1時間後、会合は終わり少々ご機嫌な上様が部屋から出てきた。
｢さあ、吉原にでも行くか！蘆名、駕籠を出せ。｣
｢吉原…でございますか｣
｢そうじゃ。早く行くぞ｣
役人に上様の乗る駕籠を手配して
私達は吉原へ出ることになった。
約束した時間まであと1時間だ。
｢蘆名、俺は先に吉原に行って上様の店を手配するから。頼んだよ｣
｢え？ああ、…了解｣
そう言って飯田は走っていってしまった。
吉原、そういえば行ったことが無かった。
土地勘も全く無い。
何かあって緊急時にでもなれば不味いが、店を手配しに行った飯田に任せればなんとかなるだろう。
＿＿＿＿＿＿
｢着きました、上様｣
｢おう。｣
飯田が手配していたのは恐らく吉原で1番大きい店。
将軍家の血の繋がりともなれば、こんな店当たり前かもしれないが。
｢では、外で待機しておりますので｣
そう言って店の扉横に立った。
これから何時間もこの体勢だと考えると辛い。
｢あぁ、居た…蘆名。｣
急いで走ってきた様子の飯田。
店を手配しに先に吉原に来ていたようだが、思いの外貸し切るのに手間がかかったようだ。
｢お前土方十四郎とか言うやつに電話するんだろ？｣
｢ああ、もうそんな時間か…。｣
腕時計は午後8時58分を差していた。
｢裏口にでも行って電話してきなよ。
ここで電話してたら他の幕臣に見られて後で陰口叩かれる｣
｢まあ…それもそうね、ありがとう。頼んだよ｣
｢ごゆっくり……｣
外をぐるっと半周して丁度真裏の人通りの少ない場所で電話をかけることにした。
｢…もしもし、土方｣
｢ああ。｣
｢はあ…アンタの声、昼に聞いたのに久々に聞いた気がする｣
｢随分疲れてるみてェだな｣
｢当たり前よ…。まぁ、どっかの誰かさんの副流煙が無いせいで空気は美味しいけどね｣
本当はこんな冗談言ってる暇なんてないのに
＿＿＿＿ずっとこのまま喋ってたい
くだらない冗談ばかり言い合っていたい。
そんな思いに負けてしまう。
｢アホ抜かしてんじゃねェよ。忙しいんだろ、要件は？｣
｢…上様がまた、戻って来いってさ。だからまた江戸を出ることになる｣
数秒間、電話からは何も聞こえなくなった。
そしてようやく聞こえてきた声はいつもより曇った声。
｢…そうか｣
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (
レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです（ ; ; ）更新頑張ってくださいーー！ (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください！ (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちーずなん | 作成日時：2021年1月28日 23時
