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Aside
もう斬りあってどれくらいたったか
そんな頃に土方が駆けつけてきた。
体力はもうほぼ残ってない。視界もぼんやりとしていて足もふらついているようだ。
飯田と土方が何か喋っているが、上手く聞き取れない。
「(体は動かない。でも…頭はまだ回ってる)」
本当はこのまま倒れてもう土方に全部任せてしまいたい所だが
土方の前で弱い所見せる訳にはいかない。
「よせ!A!」
ぼんやりとした視界で見える飯田に刀を振り上げると、すぐ近くで聞こえた土方の大きな声。
「っ、!」
隙を見て狙ったつもりでも、到底飯田には届かなかった。振り上げた刀は片手で止められてしまった。
「蘆名はもうちょっと頭が良いと思ってたのに」
呆れ顔の飯田だけが私の視界に映っていた。
「(身体が動かない…)」
そして飯田の刀が私の首元へ近付いてきた時に、すぐ近くで大きな金属音が響いた。
「…下がってろ」
どうやら飯田の刀を止めたのは土方の様だ。
下がってろ、とそのまま首根っこを捕まれ、後ろに投げられた。
「話が見えねェが…
事情聴取は今際の際にしてやらァ」
「女も護れないくせによくもまあ大口叩けますね」
その内戦闘が始まって、激しい斬り合いになっていった。そんな飯田と土方を動かないからだで見ているしか無かった。
「う、上、様…」
重たい体を引きずって上様のもとに近寄った。
さっきまでまだ喋れる様子だった上様も、いつの間にか出血が激しくなり呼吸が浅くなってきていた。
「…真選組の隊士が来てるはずです、1人で…出られますか
今なら抜けれます…、」
自分でも命の危険を感じてる様で、上様は返事もせずに急いで部屋から出ていった。
飯田は土方との戦闘に夢中で気が付いてない。
これでとにかく一安心と言ったところか。
「土方…っ、」
名前を呼ぶが、彼には到底届かない声量だ。
口に血の味が滲んできた。
目には頭から流れてきた血が入って上手く開けることが出来ない。
___私の喧嘩位、私が始末つけないと
「…っ、退け」
土方を押し退けて、飯田の前に立った。
「A、お前何して…」
「うるさい…」
「馬鹿言ってんじゃねェ、下がって___」
隣走って引っ張ってやるどころか、これじゃ足元で足引っ張るだけの腰巾着だ。
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阿呆代表の神(プロフ) - なんやねんこの凄い作品は。有料でも良いくらい素晴らしい作品。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです( ; ; )更新頑張ってくださいーー! (2021年2月1日 1時) (レス) id: e52e19fe2f (このIDを非表示/違反報告)
れんか - めっちゃ面白い(笑)更新頑張ってください! (2021年1月29日 11時) (レス) id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちーずなん | 作成日時:2021年1月28日 23時