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このまま呪詛でも吐き出しそうな勢いのテディの頭を掴みアルトが「要は」と切り上げる。
「神と呼ばれる獣すらも従えるから神皇。
実際に国を治めてたなんて記録は俺が知る範囲では残っていない。
そもそも強大な力を持っていることと国を治める才があることは別の話だからな」
ぐわんぐわんと頭を回されテディがあうあうと唸っている。
その姿を眺めていた宮舘はゆっくりと首を傾げていた。
「それと俺達がその……旧世代の神皇と同じ力を持っていることと、
どう関係があるの」
アルトの手が止まる。じ、とテディを見詰める緑の双眸が揺れていた。
そんな主の腕を両手で押し上げた魔獣はポテンっと奇妙な音を立てて足を投げ出すように座りなおすと、鼻先を引くつかせながら宮舘を見上げた。
「危険だからですう」
「危険？」
「仔細は俺達にも分らん。だが、当代の神皇は異様に旧世代の神皇たちを恐れている。
公に言うには穢れに堕ちた神皇を当代の神皇が封印したものの、一人で九人を相対するのは難しく
いつ、手下が現れ復活するとも分からないから……らしいが」
付け足すアルトの顔は非常に苦々しいものだった。
現に旧世代の神皇が居たとされている国は現神皇の居る国によって滅ぼされている。
酷い時などは彼らと同じ色だから、という理由だけで魔獣が狩られていた。
「人間だってそうですよお。
聖獣や神獣のように魔力が人より多くて強い人間は瞳が宝石のようになるんですけどお、
そういう宝石眼を持ってる人も旧神皇の手下として処刑されてたらしいのでえ」
そのため魔獣と人間から流れる血や怨嗟によって当時の穢れによる汚染は酷かったのだという。
そういった当時の流れを狩られたいた者達の共通項より「宝石狩り」と呼んでいるのだ。
ラウールが口元を手で覆う。想像したのだろうか、顔色がいつも以上に白くなっている。
「ひどい……」
「俺らは黄緑で色が違うからいたって他人事だが、国によってはまだ差別意識が残っている。
ましてやその旧神皇らと同じ色で同じ力ともなると、
連れ去られて処刑されるか実験を受けるか、既に相棒が居るのならそれを奪われるか」
「待って！」
阿部がばッと立ち上がる。皆が驚いたように見上げるが、それどころではなかった。
「ねえ、カエキリアスさんって、もしかして、それで行方不明になってるの」
アルトの口角が上がる。嫌産物を見るような笑みだ。
「そうだ。あいつは紫の宝石眼を持ってる」
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春原明香(プロフ) - 沙耶さん» コメントありがとうございます。オリジナルキャラクターも多い作品とはなりますが、最後まで楽しんでいただけると幸いです。 (5月20日 22時) (
レス) id: cf1a8a04fc (このIDを非表示/違反報告)
沙耶 - 続き待ってます！ (5月20日 17時) (レス) id: 6a6eda54e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月千羽 | 作成日時：2023年5月5日 20時
