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「顔をあげなさいアルクトゥールス」
最初に口火を切ったのは最壇上に座っていた女性だった。
金色の髪に青い瞳の美しい、そして確かにアルトの面影も存在している。
年齢は阿部と並ぶか少しばかり下だろうか。
「まずは無事に戻ってきてくれたことに感謝します。
それと……」
ちらり、女性がアルトの後ろで硬直していた四人を見やる。
ぴゃっと猫のように跳ねたラウールを見た女性は小さく微笑み、椅子から立ち上がるなりぐっと身をかがめる。
と同時に両サイドに立っていた男女の全員が、ならうように立ち上がりそれぞれが挨拶のポーズをとった。
「ルザライトの太陽、アナスタシア＝ハインルック・ド・ラズライト以下ラズライト家が
我が王国に降り立ちし四つの新たなる月にご挨拶いたします」
――王様が頭を下げた〜〜!!
声にもならない声で叫ぶ阿部とラウールと渡辺。その横で宮舘がただ一人ひょうひょうとしていた。
緊張しているのかしていないのかさっぱり読めない顔で一歩前に踏み出たかと思えば、いつものロイヤルスマイルと呼ばれる笑顔で胸元に手を当てる。
「お初に御目にかかります、宮舘涼太と申します。
そして順に阿部亮平、渡辺翔太、私を挟んで村上真都ラウールです」
どうして一切の気後れが見えないのかさっぱりだが、何であれ彼のおかげで一回で自己紹介が終了する。
一方、阿部ら三人以上に慌て始めたのはアナスタシアと名乗った女性陣の方だった。
曰く「月渡りが下手に出るな」「敬語もやめろ」「貴方達の方が我々よりも位が高い」――。
言っている内容自体は概ね入室前にアルトが言っていたことと同じだったが。
「……それで俺達は何をしたらいいの」
「何も。自由になさってください……という回答は望んでおられないのですよね？」
「そりゃあ、まあ……探したい人達も多いし、何よりこの世界で何の力もないのは嫌だ」
凛とした態度で主張する宮舘にほっと息をつく。
知らずに詰めていた呼吸が、彼が居るだけでこんなにも楽になるのだ。
阿部もすと顎を引き女王を見据える。
「探すのは自分たちでします。大所帯ですから養ってくれとも言いません。
だから生活を工面する術をください」
頭を下げる阿部にならうように三人も頭を下げる。
困り果てた空気を割いたのは、今の今まで黙っていた左手壇上の男性だった。
「ならば、彼らにカエキリアスの捜索を頼みましょう」
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春原明香(プロフ) - 沙耶さん» コメントありがとうございます。オリジナルキャラクターも多い作品とはなりますが、最後まで楽しんでいただけると幸いです。 (5月20日 22時) (
レス) id: cf1a8a04fc (このIDを非表示/違反報告)
沙耶 - 続き待ってます！ (5月20日 17時) (レス) id: 6a6eda54e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月千羽 | 作成日時：2023年5月5日 20時
