_今 夜_ _JIN_

指 ページ7

会う予定はなかったけど、突然会いたくなった。


ダンスは苦手で、それでも必死に食らいついていたのに、僕のせいで練習が長引いてしまった。


ミアネ、



いつもみたいに謝ると、みんな


「ケンチャナヨ！でもチキン奢ってください！」


なんて笑う。



いつもは心地いいその空気が、なんでかわからないけど今日は辛くて、僕の指は勝手にAの番号を呼ぶ。



『ヨボセヨ？どうしたの？』



「うーん、どうしたって訳でもないんだけど…」



『いつも教えてあげてるじゃん。きつい日はピンクだよって。ソクジナピンク似合うんだからピンク着とけば気分はハイだよ』



「Aのせいでこれからマイクまでピンクになる予定なんだよ」



『私のせいじゃなくて私のおかげ、でしょ！』



「うん、まぁそうとも言うね」



『あ、今ソクジナテレビに出てるよ。愛嬌し始めた』



「それ結構前に録ったやつだよ。髪色まだ明るいでしょ？」



『うわ、armyの夢壊さないで！髪色バラしたら怒るよ』



「いつからarmyになったのさ」



『ええー、忘れたの？私JINペン1号なのに？』



ケラケラ笑うその声が心地よくて。



むしゃくしゃしていた気持ちが気がついたら落ち着いている。



聞きなれた君の声は、言葉は、中毒性があるみたいだ。

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