_今 夜_ _JIN_

黒 ページ3

デビューしたての頃はそれはもう酷かった。


世の中を知らないあまっちょろい若造7人が共同生活なんてほんとによくやったと思う。


突然できた6人もの弟たちをなんとか食わせていかなきゃ。


そんな時料理の手ほどきをしてくれたのはAだし、定期的に荒れ放題の宿舎の片付けもしてくれた。



「ここに人間が住めるなんて信じられない」



今まで見たことないくらいの蔑みの表情でそう言われたけど。


みんなもすごく懐いてた。

警戒心の塊だったジョングガが1番に心を許したのがAだったんじゃないかな。



防弾少年団のことも支えてもらったけど、やっぱり1番支えてもらったのはキムソクジン。


才能に溢れすぎる弟達に囲まれて何もかも投げ捨ててやろうと思った時にすくい上げてくれたのはA。



「私の尊敬するJINのこと悪く言わないでよ。
私と話す時くらいキムソクジンでいたらいいんじ
ゃないの？」



「そうだね。ねぇA聞いてよ！僕が1テンポズレた時にホソガとユンギがさぁ！」



どんなにきつくてもAに話したら軽くなった。


なんせAは僕にないものを全部もってる女の子だったから、自信が無い日は自信をくれたし、悔しい日には目標をくれた。



あれから月日がたった今でも、Aと話すと君は僕にのしかかる重いプレッシャーをどこかに放り投げてくれる。



そんな君だから、きっと僕はいまでも頑張れているんだと思うんだ。

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