94line…? ③ (ページ18)

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「……俺」

「SEAくん！ちょっといいかな？」

「はい！」

ナムジュンがなにか言おうとしたところで監督ニムに呼ばれて返事をする。

だんだん重くなってきていた空気から抜け出したくて、監督ニムの呼びかけがちょうど良かった。ちらりと2人を見て監督ニムの元へ向かう。

揃って下を向いているホソクとナムジュンには声はかけなかった。

JN

撮影現場に着くと関係者の皆さんひとりひとりに頭を下げはじめたAと、それをむずがゆそうに見ているナムジュンとホソク。

…Aは悪くないのに謝らないといけない。そのことはわかってるだろうけど確かに見てて気持ちいいものなはずはない。

でも、たぶんナムジュンとホソクがこんなに不機嫌なのは僕が一番の原因だと思う。ミアネヨA。

.

.

「今日Aが関係者の方々に謝りに行くって言ってたから、様子、見ててあげて」

昨日の夜Aに、「関係者の方々に謝りたい」って相談されて、そうしな、と背中を押した。

やるべき事ではないかもしれないけどやった方がいい事だって。

Aの言うことに、僕はそうだね、って頷いた。

そのことも含めて、Aと1番近い、1番信頼してるであろう94lineに話したら、ナムジュンの目の色が一瞬だけ変わった。

そのときはあれ？って思っただけだったんだけど、悲しそうに頷いたホソクに何だか事情がわかってしまった気がした。

あちゃー、余計なお節介だったかな。

Aに声をかけようにも今日に限って僕はメイク中に寝てしまって話す時間もなかった。

うん。ナムジュナ、ホソガ、わかってるよ。

頼らせてもらってる人には頼ってもらいたいよね。