HAPPY YOONGI DAY ページ43
「…なんだこれ」
「あっヒョン！これ今日のために取っておいたんです」
ヒョンの作業室を開けたら変な顔。
あー、眠たいんですねヒョン。まだ寝かせないけど！
.
まぁ想像の通りユンギヒョンの誕生日にはヒョンにもサプライズでセンイルパーティーをして、ダイエット中だからってケーキをみんなで一口ずつ食べて。
無礼講だ！とかバカなことを言ってタメ口で話しかけた僕と酔っ払ったナムが真顔のユンギヒョンに負けて。
マンネライン3人、テヒョンとジミンとジョングクがリビングで寝ちゃいそうになったから必死に部屋まで連れて行ってパーティーが終わったのはついさっき。
.
取られないように、と僕のデスクに置いておいたちょっとお高いコーヒーをいれてヒョンの作業室へ。
そうしたら怪訝そうな目を向けられたからえへへ、なんて笑って後ろのテーブルにコーヒーを置いた。
「ヒョン、眠たいかもしれないけどちょっと付き合ってください、ヒョンの誕生日でしょ!?」
「…意味わかんねーけど。……はぁ。コーヒーもってこい」
「はーい、これ僕のとっておき！」
諦めたようにパソコンの画面を閉じて振り向いたヒョンにコーヒーを渡して、僕も椅子に座る。
「…んで、なに？」
「や、今日は本当に用事とかはありません。ただヒョンとゆっくりしようと思って」
どうせまだ作業するんでしょ？と聞けばふん、って鼻で笑われた。
デビューしてからずっと一緒に居るからね、ヒョンの考えてることくらいわかるんだよ！
「お前さ……うーん、、、いや、なんでもない」
じーっと僕の顔を見て唸ったヒョン。
「ってそれすごく気になる！なんですかヒョン！」
「ありがとな、A」
「へ」
「なんだかんだお前頑張ってるだろ。今日もほら、わざわざコーヒーなんか入れて」
「あ、いや、あの」
「これからもどうせずっと一緒だ。……いい曲つくろう」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
いつも周りを見てる。話しかけられたくない時は話しかけてこないし、なんかどうしようもなく話したい気分の時は近くにいる。
距離感がちょうどいい。
こんなやつ俺の育ってきた環境の中にはいなかった。
分かってるよA。
ギャーギャー騒いだあとの1人での作業の物悲しさはお前もわかってるもんな。
たった1杯のコーヒーをゆっくり飲むだけで作業がはかどることも。
「…よし、やるか」
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