94line…？ ② (ページ38)

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JN

へらへらと笑い続けている男の考えていることが全く理解できなくて、身体中から力が抜けていくのがわかった。

こんなことあっていいはずがないのに、信じられるわけがないのに、何も出来ない僕はただ拳をにぎりしめた。

「ソクジナ、Aの所に帰ろう。…Aが待ってるだろう」

「ヒョン、僕はAのヒョン失格です」

小さくつぶやいた言葉はマネヒョンには届かなくて、代わりに僕の頭の中にぐわんぐわんと回る。

奥歯を噛み締めて顔を上げたら見える男の顔にこれ以上怒りを抑える事も出来そうになくてまわりをかこむ警察官に押されるがまま、あいつから離れていく。

オレンジ色のダウンがまぶたの裏に焼き付いて離れなかった。

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「A、目を覚ましたって。ユンギが早く戻ってくださいだと。」

やっぱり僕はAが目覚める時に隣にいることが出来なかった。

なんだかそれはとても悔しいんだけど、でもきっとユンギだったら、僕の1番伝えて欲しかった言葉を伝えてくれていると思う。

だってきっとAは、目が覚めたらすぐに申し訳なさそうに笑うから。

Aは悪いことなんてしてないのに、申し訳なさそうに、眉毛を下げて笑うから。

お前には「ありがとう」を伝えなくちゃ。

警察署でいろいろと話をしたあと、マネヒョンに促されてバンに乗り込む。

すぐにヒョンが行くから。

今度はお前を守ってやるから。

まっててね、僕の大切な弟。