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ぽいっと渡されたユンギヒョンのスマホの画面を見たら、もうナムジュナに電話への通話画面が表示されている。
「えっちょ、ユンギヒョン！」
「はやく電話とらねぇと」
『よぼせよ、ユンギヒョン？Aは大丈夫ですか!?』
「…あー、えっと、ナムジュン？」
『A!?お前っ！』
「ミアネ、ナムジュナ。勝手な行動で迷惑かけたよね。でも、ぶ、無事で、おま、えらが、無事で、よかっ」
『〜っ、もう、怒ってやろうと思ってたのに、Aが泣いたら、俺だって』
『Aヒョン！もう絶対無茶しないで！ヒョンがいなくなるのは、怖いんです』
「ジョングガ…」
耳元からは大切な家族の声が途切れることなしに聞こえてきて、ますます涙が止まらない。
ユンギヒョンが、ん、とティッシュを手渡してくれて、そのティッシュを片手にみんなの声を聞いていく。
『しりもちはついたけどね、Aヒョンが思ってるほどは痛くなかったよ！』
『A！俺がどんなに！どんなに！なんで無茶するんだよ〜！』
『ヒョン、僕まってるからね！ヒョンが戻ってくるまで！』
どこかに追いやられてしまっているのか、遠くから聞こえるナムジュンの、おい！ちょっと！という声と、ずりずり鼻をすする音と共に聞こえるみんなの声にもう耐えられなくなる。
ユンギヒョンにスマホを返してぎゅっと握りしめられた自分の手を見つめる。
ごめん。
ごめん。
「ありがとう、A」
「え」
「心配はかけられたけどな、でも俺たちを守ってくれたのはお前だよな。…ありがとう。でももう二度と無理はするな」
「ユンギヒョン」
ジニヒョンすぐくるから。と部屋から出ていったヒョンの背中にまた涙がこみあげてきた。
…ありがとう、か。
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