94line…？ ② (ページ32)

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JK

救急車が到着したみたいで、まだ状況の分かってない僕たちなんていないかのように扉の前は騒がしくなった。

マネヒョンからすぐに電話が来て、"午前中はオフにする"ことになったらしく、ナムジュニヒョンの言葉に僕らはみんな渋々リビングへ戻った。

「ねぇナムジュニヒョン、Aヒョンは？」

「Aは…、いや、俺も詳しくはわからない。……わかりたくもない。」

「……いいから、あんまりナムジュンを困らせんな。ホソガ、とりあえずこいつら連れてリビング行くぞ」

「ユンギヒョン…」

僕らが変な空気感の中ただただ静かにリビングに集まっている間にも出ていったAヒョンは帰ってはこなくて、

でもジニヒョンは救急車のサイレンが僕らの宿舎の前に止まって、慌しい声が聞こえてきた位の頃に少しだけリビングに顔を出した。

「テヒョンア、これもっててくれる？」

はい、ってテヒョニヒョンに差し出したそれはAヒョンのスマホで、いつもスマホを握ってるはずのAヒョンのスマホがここにあることに変な気分になる。

なんだか怖い。嫌なことが起こってるような、そんな感じ。

スマホの画面には、

"ごめん、テヒョン。痛かったか…"

書きかけ、まだ送信もしてない僕たちのトーク画面。

「本当にAヒョンはパボなんだから。俺は大丈夫なのに」

隣から聞こえる、その声がいつもよりも掠れていたことはわざわざ言うことでもないと思った。

テヒョニヒョンのつぶやきに、悪い予感がさらに悪くなった気がした