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サイン会が終わってたくさんのARMYと触れ合えて幸せだった。びっくりすることもあったけどやっぱり楽しかった。
楽しかったんだけどさ…
「ヒョン、」
「A、」
「なに、ジョングガ、ホソガ」
さっきから深刻な表情の2人に向き直る。
ブツブツ僕の名前呟いてるの聞こえてるからね。ぐるんと振り返るとお化け見たようなぎょっとした顔。なんだよぉそれ。
まぁでもきっと心配してくれてたであろう2人には文句言うなんてそんなことは出来ない。だって僕の大切な家族だからね。
僕なんかのこと心配してくれるなんて、嬉しい限りだし。
後ろで名前呟き続けてるのは怖いからやめて欲しいけど。もっと違う方法あると思うけど。
.
「あの、ヒョン、かっこいいARMYの、」
なんか兄ちゃんがかっこいいって言われてるのは変な気持ちだ。くすぐったいような、嬉しいような、誇らしいような。
ちらちら目配せしてた2人は無言の話し合いが終わったのかジョングクが口を開いた。
うん、やっぱそのことだよね。
僕が韓国に来た経緯とか、なんでこのチームに加わったのかとかはみんな知らないと思う。
わざわざ話すことでもないし特に辛いことがあった訳でもないしね。
でもこんな眉下げて心配そうに言われたら話すしかないよ僕は！
だから心持ち背筋を伸ばして椅子にしっかり座る。大した話じゃないけど、真面目に聞こうとしてくれてるから、礼儀。
「僕、日本では普通の高校生して、大学受験して、そしてすぐ韓国に交換留学で来たんだ。僕が初めて練習室にくる1か月前、はじめて僕は韓国に降り立ったんだよ、信じられる？」
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