28さい、ふゆやすみのしゅくだい (ページ9)

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SC｢なあ、今日カラオケ行かね？｣

とスンチョルに誘われて、仕事を終わらせたあとに駅前のカラオケに来た。

不健康そうな色をしたメロンソーダを1口飲んで、何歌おっかなーと考えながら音量とエコーを操作していた。

明日金曜日だし、終電上等。

SC｢ポテト食いたいけど、お前食べる？｣

『あったら食べる』

SC｢うい｣

スンチョルが電話で注文をしてる間に、マイクの音量をいい感じにした。高校生の時からこの担当だったんだよね。

…てかカラオケって仲良い人しか行けないな、初対面のカラオケとか無理だもん。

SC｢何歌う？｣

『ピタカゲ』

SC｢お前それ絶対歌うよな｣

『今夜はピタカゲだよ』

SC｢ハイハイ｣

ハイハイとか澄ました顔して言っときながら、結局スンチョルも入ってくるもんね。

一緒に今夜はピタカゲーって歌ってるんだから。毎回。

『今夜は！ピタカ、』

｢失礼しまーす｣

28歳の会社員が飛び跳ねたりしながらノリノリで歌っている所に入ってきたカラオケの店員さんもそりゃ気まずいだろうよ。

カラオケの音楽だけが流れる気まずい時間が一瞬あったけど、終わってから顔を見合せて大爆笑した。

『はー、おもしろ、きまずっ！』

SC｢…はっ、マージで腹痛い、はぁ、しんど…｣

ポテトを食べながら、ノリノリでスンチョルが歌ってるところをぼんやり見ていた。

…こいつ歌上手いんだよなぁ。

と、手に持ったマイクをペンライトみたいに振って見ていると、テーブルの上に置いてあったスマホが振動して通知が来た。

ジウンA、本当にあの時悪かった。ちょっと魔が差してやったことを凄く反省してる。
だから戻ってきて欲しい。

ジウン俺にはAがいないと駄目だってやっと気づいた。お互い悪かったことを認めてもう一度やり直したい。

なーーーにがお互い悪かっただよ。
お前が100、いや1000悪いだろ。

SC「なに？仕事？」

歌い終わったスンチョルがすぐ隣に座って覗き込んできた。

…こんな広いソファなんだからこんな至近距離じゃなくてもいいでしょうが。

って、そんな事じゃなくて

『これ見て』

SC「はぁ？………なんだこいつ、うっ…」

言いかけて口を閉じたスンチョル。
いいよ、言っちゃいな。

『全然！これっぽっちもこいつのこと好きじゃないからいいよ』

SC「あぁ、そ？…マジでこいつうっざ！！！」