28さい、ふゆやすみのしゅくだい (ページ11)

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MH「んで、柄にもなく浮かれてるって訳？」

『うかっ…！浮かれてなんかないですけどっ？！』

JN「俺マンガで読んだことあるよ？
“ベツニ、アンタノタメジャナインダカラネ！”ってやつでしょ」

MH「似て非なるものだね」

JN「ニテヒナルモノ？」

『同じようで違うものってこと』

漫画の知識を自信満々に披露する弟みたいなこの美青年は私より一つ下に当たるジュンフィくん

彼とは対称的に二つ上のお姉さんですら使わない用語を披露し達観した考え持つアンニュイな表情をした彼はミンハオくん

彼が2人で経営するアンティークショップ兼時計屋は私の住むアパートのすぐ隣にこじんまりと店を構えている

スンチョルからデートに誘われたのが金曜日で、日曜日の昼間にこんな所で年下に人生相談をする大人って何だかなぁ…

JN「そうだ、それで？お喋りしに来ただけでも無いだろうし」

あぁそうだ、本題はこっちなのに。
とパーカーのポケットから貰って4年ほど経つ腕時計を取りだした

MH「…あんた腕時計とか付けるんだね」

『一応社会人だからね』

JN「このブランド知ってる、ハオがよく新作見てるよね？」

MH「ファッションブランドだから腕時計の大手では無いけどね。…やっぱロゴも一目見て分かるし僕は結構好き」

年下からあんた呼ばわりされるのはいいとして、腕時計すら付けない人間だと思われてんのは社会の荒波に6年揉まれてる女としては心外なんですけど？

24歳の誕生日で貰ったもので、勿体なくて昨日久しぶりに箱を開けたら電池切れなのか止まっていた

MH「結局付けてないんじゃん」

『だって、安物のやつが意外としぶといし…勿体ないし？』

JN「だからって今更？」

MH「どーせ、デートに誘って来た男から貰ったものなんでしょ、どーせ」

どーせ、って2回も言う必要無くない？！

デートに誘われたからには、ずっとしまい込まれてはいたけど誕生日プレゼントで貰ったものつけた方がいいでしょうよ…

別に！他意も下心もそういう意味での好意でもなんでもないけど！

MH「ま、電池切れだけだといいね。見せて」

と割とアラサーにグサグサ刺さる物言いをするミンハオくんは時計に関しての扱いはジェントルマン

横についてるネジをみたいなのを回してみたり簡単に中を開けて見ること大体10分。開けていたものをもう一度閉じてから

MH「回路と接触もおかしくなってないし液漏れとかも特にないから電池交換だけで良さそう」